【完結】女装して姫プレイにハマった公爵次男は 王弟殿下に絡めとられる

楽しい日帰り旅行

シーザルの馬車を前に2台の馬車が走る。

マーマレイドとベリーサ、ローズとブルーノが護衛とともに同じ馬車に乗り、ヨハネとクルーズがシーザルと一緒だ。

馬車がつらつら繋がるのは目立つため、王弟殿下が用意した大きめの馬車に皆で乗り換えた。



「うわあっ。風がいい気持ち。」



草原の草の匂い。

緑の匂い。


「まあ、ローズ様ったら。危ないですわよ？」

マーマレイドに注意されちゃった。


「私………あまり外へ出たことがなくて。夜会もドキドキしながら内緒で参加していて。今日みたいにお友達と遠出なんて初めてなの！」


「まあ。ローズ様！じゃあ今日はめいいっぱい楽しみましょうね！」

「はい！」

「あ～ん、もう！かわいいわ！」

「ひゃ！」


マーマレイドとベリーサが両脇からハグする。








なんだこれ…………尊い。

鼻血ふきそう。

「ヒューイ、私はもうだめかもしれない。かわいすぎて心臓が持たない。鼻血でそう。」

「我慢してください。」




馬車は進む。

ニーノは膝のバスケットを抱えて、期待に胸を膨らませた。

バスケットの中身はアップルパイ。

初めて自分で焼いたパイ。


王弟殿下は喜んでくれるだろうか…。