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エンリケ王子は拗らせる
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「会長!生徒会長!………殿下!エンリケ王子!!」
副会長で側近であるミリオン=キャスター公爵令息の声で我に返る。
いつの間にか授業が終わり、生徒会室で今年の学園祭について会議していたところだった。
ミルクティー色の髪とヘーゼルの瞳が優しい、垂れ目がちの整った顔。
お父様のお母様――――祖母であるメリアン皇太后の生家、キャスター公爵家の令息。
お祖母様はよほど叔父様のお母様が気に入らないのか、悉くその生家であるマックスウェル辺境伯爵家を僕らの周りから排除してきた。
それでも、かの辺境伯は国防の要。
騎士団長も近衛隊長もその家門であり、辺境伯家の力を削ぐことなんてできなかったが。
キャスター公爵家もマックスウェル辺境伯家もどちらの派閥も掲げている理念が間違っているわけではないから、互いにバランスがとれた方がいいのだ。
自由貿易主義で経済畑のキャスター公爵家に国防の観点から、一定の制約を求めるマックスウェル辺境伯家。
しかし僕らの代は、些かキャスター公爵家に偏っていると感じる。
お母様もキャスター公爵家の親戚だし。
「すまない、ミリオン。」
「…………会長が2年のシリアス公爵令息に懸想していると聞きました。それでこうでは、シリアス公爵令息が責められるのです。しっかりなさってください。」
……………男色だったなんて、どうりで妹にオチないはずだ。
ミリオンがぼやいた。
「どうすれば好きになってくれるだろうか。プロポーズを断られたんだ。」
「そりゃあ同性ですからね。性嗜好は様々でしょうが、異性に嗜好がある方が主流でしょうし。」
「会長、スケジュールとイベントの決裁を!」
「キャンプファイヤーの女神の選考をお願いします!」
生徒会役員に叱られ、書類を見る。
キャンプファイヤーの女神か………。
ニーノにやってもらいたいなあ。
副会長で側近であるミリオン=キャスター公爵令息の声で我に返る。
いつの間にか授業が終わり、生徒会室で今年の学園祭について会議していたところだった。
ミルクティー色の髪とヘーゼルの瞳が優しい、垂れ目がちの整った顔。
お父様のお母様――――祖母であるメリアン皇太后の生家、キャスター公爵家の令息。
お祖母様はよほど叔父様のお母様が気に入らないのか、悉くその生家であるマックスウェル辺境伯爵家を僕らの周りから排除してきた。
それでも、かの辺境伯は国防の要。
騎士団長も近衛隊長もその家門であり、辺境伯家の力を削ぐことなんてできなかったが。
キャスター公爵家もマックスウェル辺境伯家もどちらの派閥も掲げている理念が間違っているわけではないから、互いにバランスがとれた方がいいのだ。
自由貿易主義で経済畑のキャスター公爵家に国防の観点から、一定の制約を求めるマックスウェル辺境伯家。
しかし僕らの代は、些かキャスター公爵家に偏っていると感じる。
お母様もキャスター公爵家の親戚だし。
「すまない、ミリオン。」
「…………会長が2年のシリアス公爵令息に懸想していると聞きました。それでこうでは、シリアス公爵令息が責められるのです。しっかりなさってください。」
……………男色だったなんて、どうりで妹にオチないはずだ。
ミリオンがぼやいた。
「どうすれば好きになってくれるだろうか。プロポーズを断られたんだ。」
「そりゃあ同性ですからね。性嗜好は様々でしょうが、異性に嗜好がある方が主流でしょうし。」
「会長、スケジュールとイベントの決裁を!」
「キャンプファイヤーの女神の選考をお願いします!」
生徒会役員に叱られ、書類を見る。
キャンプファイヤーの女神か………。
ニーノにやってもらいたいなあ。
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