【完結】女装して姫プレイにハマった公爵次男は 王弟殿下に絡めとられる

ローズは俺で俺がローズで

ビシッと指を指すエンリケ王子。

不敵に微笑む絶対零度の王弟殿下。

息苦しそうなカント王子。



会場は騒然としている。

なんでこうなった！


「お………お静かに。私は男ですし、たいへんありがたいのですが、殿下のプロポーズを受けるわけには。陛下の許可も必要でしょうし。」

「許可があればいいのか！」
ぐいぐいくるエンリケ王子。

「許可など出るわけがない！（私が既に許可を得ている！）」

「そもそもですよ。私は男性と結婚するつもりはありませんし、王弟殿下は仕事を教えていただいている上司で、かわいがっていただいているのであって、邪な関係ではありません。それに、ローズ様も殿下のプロポーズをお断りされたと伺っております。ご友人でしかありません。二股などと、王弟殿下の評判が損なわれるような誤った発言は困ります。」

そう。
王弟殿下に傷を負わせてはいけない。

「………上司部下にしては距離感が近かったが。」


「友人になったのだ。」

「叔父様ばかりズルイです！」

「大丈夫、エンリケ王子も友だちです！ババ抜きしたじゃないですか！だから、ね。落ち着いてください。」




「………………友だち。分かった。今はそれでも。」

なんでローズで王弟殿下にプロポーズされて、男でエンリケ王子にプロポーズされているんだろう。


ガクッと肩が落ちる。


学園生活がたいへんになりそうだ。




「たいへんですね。よしよし。」

項垂れるカント王子は、ミーナが慰めていた模様。