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美術館デート

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「すまないね、本当なら家まで馬車で出迎えるべきなのに。」

夜に抜け出して美術館へ向かうと、既に王弟殿下が待っていた。

「いえ。私たちは婚約者ではありませんから。」


「こんな夜に婚約者ではないレディを連れ回して、怒られそうだな。」

「それは!………私こそ。夜しか、なくて。」

王弟殿下は微笑むと、そりゃあもうお手本のように俺をエスコートした。




「芸術はいいよね。インスピレーションがわく。君もブランドのオーナーだろう?今日も身につけている、そのローズブランド。私もね、ブランドのオーナーなんだ。」

「知っています。プリンセスブランド。」

「私、デザインもしているんだよ。何着も自ら仕立てたり、メイクをしてやったりしているとね、相手のスリーサイズや素顔もなんとなく分かるようになっちゃって。」


どきっ。


「あっ、いやですわ………。」

「ローズは少年のような体型だよね。でもいいと思うよ。」


ほっ。



王弟殿下は終始紳士だった。





そして、美術館は確かに新しいデザインのイメージの宝庫だった。




俺、女の子じゃないのに。


申し訳ないなあ。
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