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独立宣言 後編

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「今ここに、神聖ホワイトタイガー王国を建国致します。」

「うおおおおおおおお!」



おお…。

グレーが堂々としている。


手の届かない存在になっちゃったなぁ。




各大臣も我が家も、騎士団も全員グレーについてくるんだって。

取引先の友好国も全部グレーにつくらしいし、この国はどうなるんだろう。



「我が家もグレー陛下についてまいります!」


そう宣言したのは、エリザベート様のお父様。

エリザベート様をあんなふうに扱うものだから、最後に残った有力貴族までグレーについたんだね。






「まっ、待ってくれ…!そんな…、そなたたちが行ってしまったら…!我が国は!」


「国と呼べるかどうかわかりませんね。おそらく、侍女も満足に残らないでしょう。全てあなたたちが自分で招いた結果です。国民あっての国なのです。守ってくれない王ならいらない。まして、次代が自分より優れているというだけで癇癪を起して虐げるような人間なのだから。」


グレーは冷たく言い捨てた。


お父様もお兄様も頷いている。



「さぁ、もう安心だよ。ハイリ。婚約解消した暁には、私の婚約者になってほしいと君の父上にお願いして許可をとっているんだ。ハイリ、私の妃になってくれ。」




えっ。


そんなこと言われても…?



(それ、ミラー王子対策じゃなかったの?今、そこまでここで言っちゃったらまずくない?)



こそっとグレーに耳打ちする。





グレーの表情筋が固まった。




「あの、僕。Ωって診断は幼い時にされてますけど、まだ最初の発情もしてないんでよく分からないんです。そういえば、ミラー王子ってαだったのかな?」


「いや、あれはβ。というか、俺、αだけど。ハイリのご両親もお兄様もそうだけど、もしかして何も感じない?」


「ぜんぜん。」





僕たちの婚約は保留になった。




保留になったので、ミラー王子がまた何か騒ぎ出したけど、もう権力なんてないに等しいのだからどうにでもなるだろう。




わあい。僕自由。
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