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俺が一生守るから2
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「…!」
部屋から出ると、すごい人だかりだった。
「SNSの…
「あの曲の…
「PV見た!嘘…あれ、2ー3の佐々木君だったの!?」
「別人じゃん…
「Linだー!写メとっちゃお!やばい、眼福…
これが、噂に聞く手のひらクルー?
人間って怖い…。
そう思って、固まってると、鈴村さんが俺の前に出てくれた。
「ごめんねぇ、俺の一臣はシャイだからー。それに、もうすぐ授業だから…、ねっ!そのうちHPも立ち上げるからよろしくねっ☆」
笑顔が、ビジネススマイルしてる。
鈴村さん、本当になんでここまでやってくれるんだろう。
鈴村さんのやんわりと人を散らすスキル発動を眺めながら、ぼーっとしてると、彼が振り返って、優しい笑みを浮かべてくれた。
そして、ある集団に向き直りーーーーーー
「それでねぇ、彼は俺の大事な大事な弟子なの。所属も俺と同じ会社だから結構大手だし、契約もしっかりしてるの、何かあったら賠償モンだから、気を付けてやってくれると嬉しいなぁ?一臣、いろいろあるみたいだからさぁ。」
えっ?俺を虐めていた人たちに、遠回しにけん制してくれた!?
とくん。
胸がどきどきする。
「今頃、学校の方は大騒ぎかしらねぇ。」
よくある平均的なマンションの一室で、ベランダに洗濯物を干しながら、一臣の母、さゆりは学校の方を眺めた。
私はハーフだった。私もそうだったからよくわかる。
人と違うって、それだけで排除されがちなのよね。
私は、立ち向かうことができたけど、あの子は大人しい夫に性格が似ていて、無理だった。
年々、暗くなる表情を見るのはつらかった。
私が趣味でゴスペルをやってたせいか、あの子も歌が本当に好きで。
好きなことがあれば、つらいことがあっても生きていけると思って、カラオケハウスのバイトを認めた。
上手いとは思ってたけど、まさか歌手になれるくらい上手だなんてねぇ。
あの子が幸せになれるなら、曲がったことでなければ、なんでもいい。
1週間前に、きれいな男の子が菓子折りもって、スーツつけてきたときはビックリしたけど。
話を聞いて、この人なら任せられると思って、全部サインしちゃった。
「あの子は王子様に出会ったのねぇ。」
1週間前のことを思い出してくすっとなる。
鈴村兼人という人は、丁寧なあいさつをした後、
「息子さんを僕にください。」
と言ったのだ。
「あれじゃ、まるで『お嫁に下さい』よねえ。」
でもまあ、もしかしたらだけど。
母親のカン。
本当にそうなる気もするわね。
あの子を幸せにしてくれるなら、もしそうなっても、反対はしないけど。
部屋から出ると、すごい人だかりだった。
「SNSの…
「あの曲の…
「PV見た!嘘…あれ、2ー3の佐々木君だったの!?」
「別人じゃん…
「Linだー!写メとっちゃお!やばい、眼福…
これが、噂に聞く手のひらクルー?
人間って怖い…。
そう思って、固まってると、鈴村さんが俺の前に出てくれた。
「ごめんねぇ、俺の一臣はシャイだからー。それに、もうすぐ授業だから…、ねっ!そのうちHPも立ち上げるからよろしくねっ☆」
笑顔が、ビジネススマイルしてる。
鈴村さん、本当になんでここまでやってくれるんだろう。
鈴村さんのやんわりと人を散らすスキル発動を眺めながら、ぼーっとしてると、彼が振り返って、優しい笑みを浮かべてくれた。
そして、ある集団に向き直りーーーーーー
「それでねぇ、彼は俺の大事な大事な弟子なの。所属も俺と同じ会社だから結構大手だし、契約もしっかりしてるの、何かあったら賠償モンだから、気を付けてやってくれると嬉しいなぁ?一臣、いろいろあるみたいだからさぁ。」
えっ?俺を虐めていた人たちに、遠回しにけん制してくれた!?
とくん。
胸がどきどきする。
「今頃、学校の方は大騒ぎかしらねぇ。」
よくある平均的なマンションの一室で、ベランダに洗濯物を干しながら、一臣の母、さゆりは学校の方を眺めた。
私はハーフだった。私もそうだったからよくわかる。
人と違うって、それだけで排除されがちなのよね。
私は、立ち向かうことができたけど、あの子は大人しい夫に性格が似ていて、無理だった。
年々、暗くなる表情を見るのはつらかった。
私が趣味でゴスペルをやってたせいか、あの子も歌が本当に好きで。
好きなことがあれば、つらいことがあっても生きていけると思って、カラオケハウスのバイトを認めた。
上手いとは思ってたけど、まさか歌手になれるくらい上手だなんてねぇ。
あの子が幸せになれるなら、曲がったことでなければ、なんでもいい。
1週間前に、きれいな男の子が菓子折りもって、スーツつけてきたときはビックリしたけど。
話を聞いて、この人なら任せられると思って、全部サインしちゃった。
「あの子は王子様に出会ったのねぇ。」
1週間前のことを思い出してくすっとなる。
鈴村兼人という人は、丁寧なあいさつをした後、
「息子さんを僕にください。」
と言ったのだ。
「あれじゃ、まるで『お嫁に下さい』よねえ。」
でもまあ、もしかしたらだけど。
母親のカン。
本当にそうなる気もするわね。
あの子を幸せにしてくれるなら、もしそうなっても、反対はしないけど。
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