陥れられた若き伯爵と偽りと真実

アーサー王 （R18ざまあ）

「お前ら！大地の巫女の仇だ！やってしまえ！我々から奪った富を取り返すぞ！」

「迎え撃て！カラット王国の侵攻を赦すな！」

カラット王国の軍勢とジュエリー王国の軍勢は国境沿いの東の山あいでぶつかった。



「ひぃ～」

どうして私がこんな目に………。
綺麗な服を着て、好きな人のお嫁さんになって、楽しく暮らしたかっただけなのに。

騎士団についてローズマリー、カカオ、ミントは働かされていた。


ローズマリーは毒殺女なので、カラット王国を迎え撃つ準備期間の間は、武器に塗る危険な毒薬の製造をさせられていた。

毒を吸い込み、手は紫色に染まり、誰も近づかない。

黒髪は乱れ、まるで魔女のようだった。
きっともう長く生きられない。


「うふふ………あはは…………おいしくなあれ。うふふ。」

日中は飯炊きや雑用をさせられているカカオは、夜は主に囚人からなる捨て駒の先兵の性欲処理係にされていた。

ランスロットにしていたことの報いを受けさせられているのだ。


おかしくなった姉を見ないふりをして、ミントも差し迫る死に恐怖していた。

ろくな装備もなく、『私は巫女を穢したレイプ犯です』と落書きされたシャツで最前列に立たされていた。




両軍が刃をあわせようとした時、太陽を背に金髪の若者が銀髪に輝く美しい人を抱き抱え、現れた。


「私はアーサー=サークル=カラット！大地の巫女ランスロットとともに、今ここに、カラット王国の王となることを宣言する！」