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傷ついた雛
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忘れものを届けようと彼を追いかけた。
「汝、主のもとへ我を運べ。」
手帳が白く光り、糸をのばす。
術者にしか見えない糸の先に彼がいる。
その先で、痛ましい光景を見てしまった。
こんなもの同意なわけないだろう!
かわいそうに萎縮して、震えている傷ついた雛。
彼は日常的に義理の弟に犯されていたのか。
しかも、この国の王子まで!
王子は彼一人だったはず。
この国の国王も、あまり良い印象はないが、まだうまく隠す男だ。
陛下を使って下がらせ、彼に触れた。
触れても平気だろうか。
あまり余分に触れぬよう気を配り、裸の体に上着をかけた。
堰を切って泣き出す彼の背をあやす。
あんなやつのいる家に彼は帰らねばならないのか。
当主なのだからやりようもあるだろうに、傷ついた翼では対処出来ないのかもしれない。
とりあえず学園長のところへ行こう。
彼は話してくれるだろうか。
いや、私が調べよう。
彼を守りたい。
力の無いこの身が口惜しい。
私がまだ王子なら、隣国へ攫ってしまうのに。
頼りない男だけど、君を守るよ。
「汝、主のもとへ我を運べ。」
手帳が白く光り、糸をのばす。
術者にしか見えない糸の先に彼がいる。
その先で、痛ましい光景を見てしまった。
こんなもの同意なわけないだろう!
かわいそうに萎縮して、震えている傷ついた雛。
彼は日常的に義理の弟に犯されていたのか。
しかも、この国の王子まで!
王子は彼一人だったはず。
この国の国王も、あまり良い印象はないが、まだうまく隠す男だ。
陛下を使って下がらせ、彼に触れた。
触れても平気だろうか。
あまり余分に触れぬよう気を配り、裸の体に上着をかけた。
堰を切って泣き出す彼の背をあやす。
あんなやつのいる家に彼は帰らねばならないのか。
当主なのだからやりようもあるだろうに、傷ついた翼では対処出来ないのかもしれない。
とりあえず学園長のところへ行こう。
彼は話してくれるだろうか。
いや、私が調べよう。
彼を守りたい。
力の無いこの身が口惜しい。
私がまだ王子なら、隣国へ攫ってしまうのに。
頼りない男だけど、君を守るよ。
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