陥れられた若き伯爵と偽りと真実

竜鳴躍

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あんなどこの馬の骨

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ローズマリーは許せなかった。
幼馴染みでずっと好きだったダンデの妻になりたかったのに、隣国からきた女がおしかけるように妻におさまった。

豊かな黄金の髪、青い瞳。
ダンデは素晴らしくかっこよかった!

ダンデもきっと私が好きだったはずなのに、途中から王命になって二人は結婚。
隣国の巫女だか知らないけど、怪我を治療してるとこすら見たことないし、なんの巫女だったのやら。
それに、爵位だって分からない。
平民なんじゃないの!?

確かに美人だけど、あんな馬の骨……。


私は親に子爵家に嫁がされた。
凡庸な男だった。

ちょっとドレスを新調しただけでみみっちく言われるし、産まれた子どもたちが私に似てたのが救い。
あんな不細工だったら、我が子でも愛せないもの。



四年経って、あの女が死んだ。
美貌も褪せて、惨めに痩せ細って。


今ならダンデの妻になれる。


夫に離縁をお願いしたのに聞いてくれなかったから、分からないように毒殺したわ。

夫と死別して私だけ出て行こうとしたら、娘と息子も追い出された。

薄々、疑われているようだったから、素直に引き取った。
息子は跡取りなのに、夫の弟の子どもが後を継ぐらしい。

私の息子がバカ?
私含めて子どもたちも問題児ですって?


なによ!



ダンデは後妻にしてくれたけど、夜をともにしてくれなかった。

12年経って。

あの女との間にできた息子を抱いているのを見てしまった。

そんな………。

いつから?

あの女のカラダはよかった?



だけど、嫌々犯されているあの女の子を見るのは楽しかった。

使用人にも二人の関係を言いふらしたし、息子のミントにも犯させた。




だけど誤算だわ。

ダンデを根気よく堕として、彼の子を産んで、その子を跡取りにしたかったのに、そういう関係になれなかった。



娘をあの子に宛がって、乗っ取ろうかしら。
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