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ユリウス元王子と孤児のハル
タイガー公爵家の結婚と初めての旅行3
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通されたお部屋はプライベート感あって本当にすてきで、広い部屋に僕は目を白黒させた。
「夕飯はこちらに届けてくれるそうだよ。」
ゆっくり二人でね、とアレックス様は微笑んでいた。
外はとっても寒いのに、お家の中はぽかぽか。
「せっかくの露天風呂なのに、あまり寒いと外に出るの辛くなっちゃいそうだから、先にお風呂に入ろうか?星空を眺めるのもいいけど、今くらいの時間だとまだ日が暮れていなくて、景色も楽しめると思うよ。」
ユリウスさまがそっと僕の体に触れた。
室内のお風呂で体を洗ってから、薄いローブを羽織って外に出る。
先に準備を済ませて露天風呂で待っていたユリウスさまの隣に、ローブごとちゃぽん、と入った。
「裸で入るよりなんだかエッチだ…。どうしよう、私の理性が持たないよ。」
えええ!恥ずかしいから着てきたのに、逆効果だったのぉ?!
透け感のあった薄いローブは、濡れて肌に張り付き、胸の突起を強調している。
全く、抜けているというか、純真というか。
腕の中でおろおろしているハルがとてもかわいくて。
「ユリウスさま、ハルさま。お飲み物をお持ちしました。」
公爵家の侍女が露天風呂に飲み物とデザートを持ってきた。
「お風呂でいただくなんて、なんて悪いことなんでしょう。」
「でも、特別感があってどきどきするだろう?」
「この白いものがデザートですか?なんかバターみたい…?」
容器に触れて、ひゃっ!とハルは手を離した。
「つめたいですぅ…っ。」
「はは、アイスクリームというんだ。牛の乳で出来ている。おいしいぞ。」
ひとさじすくって、食べさせてやると、きらきらした瞳になった。
ブランデーを飲んで、アイスクリームを舐めているその唇にキスをする。
「ん、んっ。」
「ブランデーとバニラアイスはあうだろう?」
大事な宝物。
今日はキスだけ。
それでも私たちは大進歩。
翌日は晴天で、秋空の中、いろんな人が集まった。
本当の王の子。
公爵家の結婚だ。
有力貴族は全員集まっていたと思う。
私の顔を見てびっくりする人もいたけど、悪いこともしてないんだし、参列するに決まってるだろう?
従兄弟なんだから。
だが、私の隣のハルを見る目がダメだ。
そんな奴らには指輪をみせつけてやった。
パイプオルガンに合わせてヴァージンロードを歩くアレックス。
付き添いはステンシルだ。
セクシーでカッコイイ花嫁は、まっすぐ前を向いてハワードを見つめる。
借りてきた猫のようなハワードに腕を絡ませ、二人は神の前で永遠の愛を誓った。
頑張れ、ハワード。
アレックスは一筋縄ではいかないぞ。
「夕飯はこちらに届けてくれるそうだよ。」
ゆっくり二人でね、とアレックス様は微笑んでいた。
外はとっても寒いのに、お家の中はぽかぽか。
「せっかくの露天風呂なのに、あまり寒いと外に出るの辛くなっちゃいそうだから、先にお風呂に入ろうか?星空を眺めるのもいいけど、今くらいの時間だとまだ日が暮れていなくて、景色も楽しめると思うよ。」
ユリウスさまがそっと僕の体に触れた。
室内のお風呂で体を洗ってから、薄いローブを羽織って外に出る。
先に準備を済ませて露天風呂で待っていたユリウスさまの隣に、ローブごとちゃぽん、と入った。
「裸で入るよりなんだかエッチだ…。どうしよう、私の理性が持たないよ。」
えええ!恥ずかしいから着てきたのに、逆効果だったのぉ?!
透け感のあった薄いローブは、濡れて肌に張り付き、胸の突起を強調している。
全く、抜けているというか、純真というか。
腕の中でおろおろしているハルがとてもかわいくて。
「ユリウスさま、ハルさま。お飲み物をお持ちしました。」
公爵家の侍女が露天風呂に飲み物とデザートを持ってきた。
「お風呂でいただくなんて、なんて悪いことなんでしょう。」
「でも、特別感があってどきどきするだろう?」
「この白いものがデザートですか?なんかバターみたい…?」
容器に触れて、ひゃっ!とハルは手を離した。
「つめたいですぅ…っ。」
「はは、アイスクリームというんだ。牛の乳で出来ている。おいしいぞ。」
ひとさじすくって、食べさせてやると、きらきらした瞳になった。
ブランデーを飲んで、アイスクリームを舐めているその唇にキスをする。
「ん、んっ。」
「ブランデーとバニラアイスはあうだろう?」
大事な宝物。
今日はキスだけ。
それでも私たちは大進歩。
翌日は晴天で、秋空の中、いろんな人が集まった。
本当の王の子。
公爵家の結婚だ。
有力貴族は全員集まっていたと思う。
私の顔を見てびっくりする人もいたけど、悪いこともしてないんだし、参列するに決まってるだろう?
従兄弟なんだから。
だが、私の隣のハルを見る目がダメだ。
そんな奴らには指輪をみせつけてやった。
パイプオルガンに合わせてヴァージンロードを歩くアレックス。
付き添いはステンシルだ。
セクシーでカッコイイ花嫁は、まっすぐ前を向いてハワードを見つめる。
借りてきた猫のようなハワードに腕を絡ませ、二人は神の前で永遠の愛を誓った。
頑張れ、ハワード。
アレックスは一筋縄ではいかないぞ。
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