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後始末と拉致
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「全く、はっきり私に言ってくれたら、もっと力になれたのに水くさい。」
大司教はぽんぽんと隊長の肩を叩いて、うれしい、けれど困ったような表情を浮かべた。
「ありがとうございます。ですが、私は本当に危なかったので。また、第三者の視点と証が必要でしたから。」
「私は、グレイスが裏切ったのだと思っていたのだよ。それで、前公爵が匿ったのだと思っていた。親友に悪いことをした。」
で、どうする?
「まずは事件の影響による国力低下を防ぎます。そこから先は手伝っていただけるとうれしいです。」
「当たり前だよ。私が出来ることなら何でもしよう。」
大司教を見送って、俺とステンシル先輩に隊長は向き直った。
「さあ、急ぎで後始末終わらせるぞ!手伝え!」
猫のようにつんとして、でも可愛らしいご命令。
ぎゅっと、俺の心臓は痛む。
「国王の執務室、か。初めてだな、
入るの。」
ステンシルとハワードは別室で各国とのやり取りに追われている。
かつて、父も使っていたのだろう机を撫で、席に着く。
自分は王にはならない。
だけど、それで国民が路頭に迷わないよう。
整理をする必要がある。
まずは合議制にするための法整備をしないとな。
夜が遅くなっても、なかなか終わらない。
ガリガリと静寂の中、ペンが走る音が聞こえる。
集中力が欠け、うとうとしかけた頃。
すっと背後から誰かが、立ち。
アレックスの口を一気にハンカチでふさいだ。
気を失わせる薬と、媚薬の混じったそれを。
「!」
倒れ込むアレックスを、埃まみれのグリムが見下ろした。
大司教はぽんぽんと隊長の肩を叩いて、うれしい、けれど困ったような表情を浮かべた。
「ありがとうございます。ですが、私は本当に危なかったので。また、第三者の視点と証が必要でしたから。」
「私は、グレイスが裏切ったのだと思っていたのだよ。それで、前公爵が匿ったのだと思っていた。親友に悪いことをした。」
で、どうする?
「まずは事件の影響による国力低下を防ぎます。そこから先は手伝っていただけるとうれしいです。」
「当たり前だよ。私が出来ることなら何でもしよう。」
大司教を見送って、俺とステンシル先輩に隊長は向き直った。
「さあ、急ぎで後始末終わらせるぞ!手伝え!」
猫のようにつんとして、でも可愛らしいご命令。
ぎゅっと、俺の心臓は痛む。
「国王の執務室、か。初めてだな、
入るの。」
ステンシルとハワードは別室で各国とのやり取りに追われている。
かつて、父も使っていたのだろう机を撫で、席に着く。
自分は王にはならない。
だけど、それで国民が路頭に迷わないよう。
整理をする必要がある。
まずは合議制にするための法整備をしないとな。
夜が遅くなっても、なかなか終わらない。
ガリガリと静寂の中、ペンが走る音が聞こえる。
集中力が欠け、うとうとしかけた頃。
すっと背後から誰かが、立ち。
アレックスの口を一気にハンカチでふさいだ。
気を失わせる薬と、媚薬の混じったそれを。
「!」
倒れ込むアレックスを、埃まみれのグリムが見下ろした。
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