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何が起こってるんだ?隊長が王子?
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目の前で繰り広げられる会話に、内心、ハワードはついて行けなかった。
しかし、
陛下が本当は亡くなったはずの王弟で、隊長が本当の陛下と妃の息子―――王子だということは分かる。
そして、この人たちに殺されかけたということも。
「邪魔ね、邪魔だわっ!」
王妃と呼ぶのも忌々しい毒女が、隠し持った短剣を大司教に向けた。
「全くもう!後で詳しく教えて下さいよ!」
隊長を背に隠して、短剣を蹴り上げる。
短剣が床に落ちる音で、夜会の参加者が全員こちらに気づき、集まってきた。
この場所は参加者からは死角になる場所だが、こうなっては丸見えだ。
本来、陛下たちを守るために侍っていた王宮の騎士たちは、頭がついてこないのだろう。
目の前で起きた王妃の振る舞いに狼狽えている。
「愚かな。この場で私を口封じしようなど。」
「ううっ、うーっ!」
王妃は髪を振り乱し、鬼の形相になった。
さあ、仕上げをしようか。
チクッ。
「は!な、なんだ。これは。」
サイレンサー付きの銃で、ステンシルが仕事をした。
みんなの仇をとろう、ステンシル。
「死亡診断書にあった、我が父に盛られた毒と同じものですよ。」
「ひっ!ル、ルビー!げ、解毒剤を!あるんだろう、君が持ってきた毒なんだから!」
「貴方っ!この、出来損ない!」
周囲がざわめく。
「……私が三歳の時、貴方は母を連れて行った。母が欲しかったのでしょう。なんで、母は死んだのですか……。」
「わっ、私じゃない!サンディは私がグレイスじゃないことに気づいた!だから、ルビーが口封じに……!侍女と一緒にっ!私は、私も、愛していたんだ!」
目を伏せる。
「ありがとう。それは毒ではありません。自白剤です。」
ふっと、背中に暖かいものを感じる。
ハワードが抱きしめてくれている。
「何をしている!早くこの二人を縛り上げろ。この二人は陛下妃殿下ではない。兄である陛下を殺し、成り代わった者達だ!サンディ妃と侍女バーバラの殺害、本当の王子である私の殺害未遂、そして大司教の殺害未遂!アレックス=ティス=ブルーローズが命ずる!」
騎士が動き、二人は連行されていった。
しかし、
陛下が本当は亡くなったはずの王弟で、隊長が本当の陛下と妃の息子―――王子だということは分かる。
そして、この人たちに殺されかけたということも。
「邪魔ね、邪魔だわっ!」
王妃と呼ぶのも忌々しい毒女が、隠し持った短剣を大司教に向けた。
「全くもう!後で詳しく教えて下さいよ!」
隊長を背に隠して、短剣を蹴り上げる。
短剣が床に落ちる音で、夜会の参加者が全員こちらに気づき、集まってきた。
この場所は参加者からは死角になる場所だが、こうなっては丸見えだ。
本来、陛下たちを守るために侍っていた王宮の騎士たちは、頭がついてこないのだろう。
目の前で起きた王妃の振る舞いに狼狽えている。
「愚かな。この場で私を口封じしようなど。」
「ううっ、うーっ!」
王妃は髪を振り乱し、鬼の形相になった。
さあ、仕上げをしようか。
チクッ。
「は!な、なんだ。これは。」
サイレンサー付きの銃で、ステンシルが仕事をした。
みんなの仇をとろう、ステンシル。
「死亡診断書にあった、我が父に盛られた毒と同じものですよ。」
「ひっ!ル、ルビー!げ、解毒剤を!あるんだろう、君が持ってきた毒なんだから!」
「貴方っ!この、出来損ない!」
周囲がざわめく。
「……私が三歳の時、貴方は母を連れて行った。母が欲しかったのでしょう。なんで、母は死んだのですか……。」
「わっ、私じゃない!サンディは私がグレイスじゃないことに気づいた!だから、ルビーが口封じに……!侍女と一緒にっ!私は、私も、愛していたんだ!」
目を伏せる。
「ありがとう。それは毒ではありません。自白剤です。」
ふっと、背中に暖かいものを感じる。
ハワードが抱きしめてくれている。
「何をしている!早くこの二人を縛り上げろ。この二人は陛下妃殿下ではない。兄である陛下を殺し、成り代わった者達だ!サンディ妃と侍女バーバラの殺害、本当の王子である私の殺害未遂、そして大司教の殺害未遂!アレックス=ティス=ブルーローズが命ずる!」
騎士が動き、二人は連行されていった。
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