俺がお前を王にしてやる―隠れオメガクイーンは勇者様―

竜鳴躍

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失礼な王女たち

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「よく考えてごらんなさいませ。オメガは、殿方に愛でられる存在。そのためだけに生きるものでしょう。オメガにとっては可愛らしさや美しさだけが能力の全てですわ。学問や魔法や剣術など習ってもたいして使い物にならないのですから、殿方の癒しになれればいいのです。私のように。」

「………。」


「それなのに、あの方が勇者など。大方、本当の勇者はアーサー様ですわ。だってともにいたのでしょう?オメガの魅了で唆して、王子の妃になるために自分がオメガだなどと………。ああ、大丈夫。私はアーサー様をお救いしに来たのです!今ならまだ間に合いますもの。私、あなた方のためにもこの国の王妃になりますわ。その時はよろしくお願いしますね。」


ふふ、と花が咲いたようにほほ笑む王女…。







(ていうか聞こえてるんだけど…。何しにこの国に来たんだか……。ああ、俺たちの婚約を祝うってのが建前で、俺からアーサーを奪いに来たのか。)


「ローゼ様。気分がすぐれないようですが。」

「王太子殿下。」

王太子のチャーリ=カカオ=フローラ殿下。

見た目は王女を男にした感じだ。
ただ、俺みたいなオメガじゃないから、しっかりと逞しい。


「全く妹にも困ったものです。」

俺は作り笑いで躱す。

「でも仕方ないのはないのでしょうか。ローゼ様もお気づきでしょう。うちのアンジュこそがアーサー殿下の運命の番なのです。」


………知ってる。
金木犀の香り。フェロモンが漂った瞬間、アーサーが僅かに反応したから。


俺が一緒じゃなければ。

いや、俺と出会っていなければ。


過去に婚約者だった二人はすぐに結ばれたんだろう。


「『運命』を否定されたそうですね。確かに、『運命の番』同士であっても不幸になる組み合わせはある。一生のうちに出会わないことも。運命ではない誰かと結ばれる誰かも確かに存在するでしょう。ですがやっぱり運命は運命ですよ。フローラ王国と縁が結ばれれば、この国はもっと豊かになるでしょう。」


「アーサーのために身を引けと?」



「ええ。その代わり、貴方を私の側妃に迎えたい。貴方は伯爵家の庶子でしょう。残念ながら家格が足りないですからね。でも、十分でしょう?」






全く失礼な王女たちだ。
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