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ローゼ=アムールは靡かない
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アムール伯爵家は、資源産出国の緑豊かなタリスマン王国にある裕福な伯爵家で、仲良し家族だ。
大きな商会を営み、特に隣国・シュバイツァーとの交易で富を得ているカッツェ=アムールは、若い頃は美形で令嬢に秋波を送られていたもので…。年をとった今では多少横に肉がつき、恰幅がよくなったものの、柔らかな金髪と涼し気な青い眼は健在で、年相応にまだ美丈夫の範囲内であるといえる。
「カリスは最近どうなんだ?王太子の側近としてしっかりやっているのか?」
朝食から家族みんなで食卓を囲むのは、貴族では珍しいかもしれない。
長男であり、次期伯爵であるカリスは、若き日の伯爵そっくりの美しい若者だ。
腹の中は真っ黒だが。
「ええ、もちろんですとも!将来は陛下となった殿下に取り立ててもらえそうです!ご期待ください、我が家は未来は明るい。イスリス=シーザー=タリスマン殿下とアムール伯爵家に幸あれ!」
「ほほほ、なんて頼もしいことかしら!」
夫人のマリアンヌは中堅伯爵家の出身で、肉感のあるグラマラスな体型に甘いたれ目とハニーブロンドの女性だ。
見た目も美しく、教育熱心で、自己顕示欲が強く、自分が認められたいから慈善活動を熱心にしている。
「お母様、私も王子様と婚約して見せますわ!」
もうすぐ学園を卒業する年齢になるマリエッタは、夫人の若かりし頃にそっくり。
鼻息が荒いですよ、はしたないです。お嬢様。
「マリエッタ、私が殿下の側近だからなぁ。同じ家からは選ばれにくい。でもまあ。アーサー殿下ならいいかもな。殿下の兄上だが、前妃の子だし。王太子に選ばれるのは私のイスリス殿下だろうから。」
カリスがフォークで楽しそうに宙に円を小さく描きながら、からかうように言う。
お行儀悪いですよ。
「ええ?アーサー殿下なんて嫌ですわ!あんな気が弱くて、ぼそぼそ喋ってるような暗い人!前髪も長くて顔も見えないし!」
「ははは、イスリス殿下にお前を推しておくよ。」
「きゃあー!カリスお兄様、だぁいすき♡」
「ははは、美しい妻に賢く優しく美しい子どもたち!私は幸せ者だ。」
俺は、この部屋の中で黙ってもくもくと給仕をする。
ティーカップにお茶を注いでいると、伯爵の視線が俺を見た。
打って変わって、つまらなそうな顔だ。
「ローゼ。」
「はい。」
俺が伯爵に名前を呼ばれた瞬間、しーんと静まり返り、他の家族の視線も俺に集中する。
皆の視線が冷たい。
蔑み、嘲る、そんな視線。
「お前もいよいよ18か。一応オメガ、全く母親に似ず地味だが政略結婚の駒には使えるから、と…。18歳になるまでは家に置いてやっていたが…。ビリヤニ伯爵家からお前と婚約解消の申し入れがあった!もうお前に用はない。成人まで養ってやったんだ、世間体的にも頃合いだ。」
「そうですか。では、私はこの家を出ます。今まで、ありがとうございました。」
姿勢を正して、ピシッと腰を曲げる。
「お前の母親も連れていけ。全く……、せっかく私が見初めた美しい顔を自ら焼くなど。せっかくシュバイツァーで見つけた極上のオメガだったというのに。」
夫人が唇を噛んで、俺を睨んでいる。
母は自分で顔を焼いたのではない。夫の愛情を奪われたくなかった夫人が母の顔を焼いたのだ。
そんなことをしなくても、母はこの男をこれっぽっちも愛していないのに。
大丈夫ですよ、俺も母も本当のことなど言いませんよ。
今はね。
この世界には男と女の他にアルファ、ベータ、オメガという性がある。
アルファとオメガは美しい容姿をしていることが多く、アルファは優秀で、オメガは生殖に特化しており、アルファが相手であれば男でも女でもオメガは子を産むことができる。
そして、優秀なアルファはオメガからしか産まれない。
容姿以外何もかも劣ったオメガ。
男でも女でも、アルファに媚びてアルファの子を産むだけのオメガ。
―――――そういわれている。
伯爵とカリスはアルファで、夫人とマリエッタはオメガだ。
一応この家に籍がある俺だが、美貌を見初めてどこの馬の骨とも分からない隣国の女を連れ帰った夫に夫人は敵意を示していた。
愛人にされ、できたのが俺。
母さんが顔を焼かれるまでは、伯爵は足しげく母さんと俺のいる離れに来ていた。
母さんの頬や腕、体には、あの夫人が焼けた鉄の棒を振り回して火傷させた痕が残っている。
伯爵は離れに来なくなったが、俺への興味も失せたようで、籍には入っているものの、なんだかんだと理由をつけて学校へ通わせてはくれなかったし、一応婚約者をつけたものの、家の中では行儀見習い?花嫁修業??という名の使用人扱いだった。
ほくそ笑む『家族』の醜い表情を見ながら、俺は内心ハレバレとした気持ちだ。
なぁ?
オメガが劣っているって誰が決めた?
子を孕むのだけが得意だと、誰が決めたんだ?
「お母さま!ここから出られるよ!さぁ、一緒に行こう!」
「うふふ!ようやくね!ローゼ!!さぁ、こんな家、ぶっ潰してしまいましょう!」
真っ白な綿毛のようなふわふわした髪に大きな桃色の瞳。
コロコロ笑う美しい母の左の頬には白い肌には不釣り合いな火傷の痕があり、引き攣れている。
「この痕も綺麗に治してあげるね。」
「大丈夫よ、自分でできるから。だけど、全てが終わってから、ね?」
最高だぜ。お母様。
俺たちが大した荷物も持たずに屋敷を出る様子を、あいつらは窓から見ていた。
伯爵は要らない荷物を捨てたくらいの気持ちだろうし、奥様やあの兄妹はいい気味だって見てるだろ?
後ろ盾もないオメガ二人、しかも一人は傷物の年増で、奴らの頭の中では俺が身を売って貧しい惨めな生活を送るくらいの想像が膨らんでいることだろうさ。
だけど残念だったね。
これから家が傾いて、地獄を見るのはそちらだろうから。
どうして気難しいシュバイツァーがこの家とだけ取引してたんだろうね?
ふふっ。
お前らの方が、用済みになるんだよ。
「こんな時のために用意していておいてよかった。やっぱり計画性って大事だな。」
屋敷から離れたところで茂みに入り、転移魔法で王都に買っておいた店舗兼屋敷に入る。
12を超えて冒険者登録ができる年齢になってから、俺は時々屋敷を抜け出しては冒険者でお金を稼いでいた。
いつか屋敷を出ることを見据えて、ひそかに溜めた自己資金で用意していたのだ。
「今日からこっちに集中できるんだ、バリバリ稼いでお母さまを楽させてあげるからね。」
「ふふふ、あの人たち私たちのおこぼれで商会が上手く行ってたのにねぇ…。」
「………ろーぜっ。ろーぜ、いる……?」
コンコン、とノックの音がして開けると、黒髪がぞろっと長く、前髪で顔の殆どが見えない男が立っている。
アーシュ。
俺の冒険者仲間だ。
「アーシュ、中に入れよ。」
「よかったぁ。ろーぜに相談したくって…。」
ぼそぼそとしゃべり、弱気な青年だが、なかなか頭が切れるし、治癒魔法の使い手としては優秀だ。
「あのね、火の山に火竜様がいるのだけど、生息地が今度大規模に開発されるらしくて。その前に脱出させたいんだ。」
「いくら出す?」
「金貨50枚でどう?」
「任せろ。」
「ありがとう。」
アーシュは高位貴族らしい。開発担当の責任者が半分血のつながった弟で…。
家では立場が弱いらしくて。
好き勝手に思いついて行動しだす弟が起こすであろうトラブルを、事前に防いでいる。
冒険者ギルドで誰にも話しかけられなくてオロオロしていたのをみかねて、声をかけたのが始まりだった。
こいつが持ってくる案件は国を揺るがす重大な案件が多く、それを手伝っていたらいつのまにか『勇者』としてあがめられるようになり、陛下の御目通しもかなった。
まあ、そのおかげで色々と伝手もできたし、報奨金を元手に店どころか大きな商会も開けたし、いいことづくめなのだ。
おかげで今ではアムール伯爵家の商会より、ウチの方が上!
しかも、お母様はシュヴァイツァー王国で重きを置かれている名家の令嬢で、大研究者!
ね、あいつらが破滅する未来しか見えないでしょ?
大きな商会を営み、特に隣国・シュバイツァーとの交易で富を得ているカッツェ=アムールは、若い頃は美形で令嬢に秋波を送られていたもので…。年をとった今では多少横に肉がつき、恰幅がよくなったものの、柔らかな金髪と涼し気な青い眼は健在で、年相応にまだ美丈夫の範囲内であるといえる。
「カリスは最近どうなんだ?王太子の側近としてしっかりやっているのか?」
朝食から家族みんなで食卓を囲むのは、貴族では珍しいかもしれない。
長男であり、次期伯爵であるカリスは、若き日の伯爵そっくりの美しい若者だ。
腹の中は真っ黒だが。
「ええ、もちろんですとも!将来は陛下となった殿下に取り立ててもらえそうです!ご期待ください、我が家は未来は明るい。イスリス=シーザー=タリスマン殿下とアムール伯爵家に幸あれ!」
「ほほほ、なんて頼もしいことかしら!」
夫人のマリアンヌは中堅伯爵家の出身で、肉感のあるグラマラスな体型に甘いたれ目とハニーブロンドの女性だ。
見た目も美しく、教育熱心で、自己顕示欲が強く、自分が認められたいから慈善活動を熱心にしている。
「お母様、私も王子様と婚約して見せますわ!」
もうすぐ学園を卒業する年齢になるマリエッタは、夫人の若かりし頃にそっくり。
鼻息が荒いですよ、はしたないです。お嬢様。
「マリエッタ、私が殿下の側近だからなぁ。同じ家からは選ばれにくい。でもまあ。アーサー殿下ならいいかもな。殿下の兄上だが、前妃の子だし。王太子に選ばれるのは私のイスリス殿下だろうから。」
カリスがフォークで楽しそうに宙に円を小さく描きながら、からかうように言う。
お行儀悪いですよ。
「ええ?アーサー殿下なんて嫌ですわ!あんな気が弱くて、ぼそぼそ喋ってるような暗い人!前髪も長くて顔も見えないし!」
「ははは、イスリス殿下にお前を推しておくよ。」
「きゃあー!カリスお兄様、だぁいすき♡」
「ははは、美しい妻に賢く優しく美しい子どもたち!私は幸せ者だ。」
俺は、この部屋の中で黙ってもくもくと給仕をする。
ティーカップにお茶を注いでいると、伯爵の視線が俺を見た。
打って変わって、つまらなそうな顔だ。
「ローゼ。」
「はい。」
俺が伯爵に名前を呼ばれた瞬間、しーんと静まり返り、他の家族の視線も俺に集中する。
皆の視線が冷たい。
蔑み、嘲る、そんな視線。
「お前もいよいよ18か。一応オメガ、全く母親に似ず地味だが政略結婚の駒には使えるから、と…。18歳になるまでは家に置いてやっていたが…。ビリヤニ伯爵家からお前と婚約解消の申し入れがあった!もうお前に用はない。成人まで養ってやったんだ、世間体的にも頃合いだ。」
「そうですか。では、私はこの家を出ます。今まで、ありがとうございました。」
姿勢を正して、ピシッと腰を曲げる。
「お前の母親も連れていけ。全く……、せっかく私が見初めた美しい顔を自ら焼くなど。せっかくシュバイツァーで見つけた極上のオメガだったというのに。」
夫人が唇を噛んで、俺を睨んでいる。
母は自分で顔を焼いたのではない。夫の愛情を奪われたくなかった夫人が母の顔を焼いたのだ。
そんなことをしなくても、母はこの男をこれっぽっちも愛していないのに。
大丈夫ですよ、俺も母も本当のことなど言いませんよ。
今はね。
この世界には男と女の他にアルファ、ベータ、オメガという性がある。
アルファとオメガは美しい容姿をしていることが多く、アルファは優秀で、オメガは生殖に特化しており、アルファが相手であれば男でも女でもオメガは子を産むことができる。
そして、優秀なアルファはオメガからしか産まれない。
容姿以外何もかも劣ったオメガ。
男でも女でも、アルファに媚びてアルファの子を産むだけのオメガ。
―――――そういわれている。
伯爵とカリスはアルファで、夫人とマリエッタはオメガだ。
一応この家に籍がある俺だが、美貌を見初めてどこの馬の骨とも分からない隣国の女を連れ帰った夫に夫人は敵意を示していた。
愛人にされ、できたのが俺。
母さんが顔を焼かれるまでは、伯爵は足しげく母さんと俺のいる離れに来ていた。
母さんの頬や腕、体には、あの夫人が焼けた鉄の棒を振り回して火傷させた痕が残っている。
伯爵は離れに来なくなったが、俺への興味も失せたようで、籍には入っているものの、なんだかんだと理由をつけて学校へ通わせてはくれなかったし、一応婚約者をつけたものの、家の中では行儀見習い?花嫁修業??という名の使用人扱いだった。
ほくそ笑む『家族』の醜い表情を見ながら、俺は内心ハレバレとした気持ちだ。
なぁ?
オメガが劣っているって誰が決めた?
子を孕むのだけが得意だと、誰が決めたんだ?
「お母さま!ここから出られるよ!さぁ、一緒に行こう!」
「うふふ!ようやくね!ローゼ!!さぁ、こんな家、ぶっ潰してしまいましょう!」
真っ白な綿毛のようなふわふわした髪に大きな桃色の瞳。
コロコロ笑う美しい母の左の頬には白い肌には不釣り合いな火傷の痕があり、引き攣れている。
「この痕も綺麗に治してあげるね。」
「大丈夫よ、自分でできるから。だけど、全てが終わってから、ね?」
最高だぜ。お母様。
俺たちが大した荷物も持たずに屋敷を出る様子を、あいつらは窓から見ていた。
伯爵は要らない荷物を捨てたくらいの気持ちだろうし、奥様やあの兄妹はいい気味だって見てるだろ?
後ろ盾もないオメガ二人、しかも一人は傷物の年増で、奴らの頭の中では俺が身を売って貧しい惨めな生活を送るくらいの想像が膨らんでいることだろうさ。
だけど残念だったね。
これから家が傾いて、地獄を見るのはそちらだろうから。
どうして気難しいシュバイツァーがこの家とだけ取引してたんだろうね?
ふふっ。
お前らの方が、用済みになるんだよ。
「こんな時のために用意していておいてよかった。やっぱり計画性って大事だな。」
屋敷から離れたところで茂みに入り、転移魔法で王都に買っておいた店舗兼屋敷に入る。
12を超えて冒険者登録ができる年齢になってから、俺は時々屋敷を抜け出しては冒険者でお金を稼いでいた。
いつか屋敷を出ることを見据えて、ひそかに溜めた自己資金で用意していたのだ。
「今日からこっちに集中できるんだ、バリバリ稼いでお母さまを楽させてあげるからね。」
「ふふふ、あの人たち私たちのおこぼれで商会が上手く行ってたのにねぇ…。」
「………ろーぜっ。ろーぜ、いる……?」
コンコン、とノックの音がして開けると、黒髪がぞろっと長く、前髪で顔の殆どが見えない男が立っている。
アーシュ。
俺の冒険者仲間だ。
「アーシュ、中に入れよ。」
「よかったぁ。ろーぜに相談したくって…。」
ぼそぼそとしゃべり、弱気な青年だが、なかなか頭が切れるし、治癒魔法の使い手としては優秀だ。
「あのね、火の山に火竜様がいるのだけど、生息地が今度大規模に開発されるらしくて。その前に脱出させたいんだ。」
「いくら出す?」
「金貨50枚でどう?」
「任せろ。」
「ありがとう。」
アーシュは高位貴族らしい。開発担当の責任者が半分血のつながった弟で…。
家では立場が弱いらしくて。
好き勝手に思いついて行動しだす弟が起こすであろうトラブルを、事前に防いでいる。
冒険者ギルドで誰にも話しかけられなくてオロオロしていたのをみかねて、声をかけたのが始まりだった。
こいつが持ってくる案件は国を揺るがす重大な案件が多く、それを手伝っていたらいつのまにか『勇者』としてあがめられるようになり、陛下の御目通しもかなった。
まあ、そのおかげで色々と伝手もできたし、報奨金を元手に店どころか大きな商会も開けたし、いいことづくめなのだ。
おかげで今ではアムール伯爵家の商会より、ウチの方が上!
しかも、お母様はシュヴァイツァー王国で重きを置かれている名家の令嬢で、大研究者!
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