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カルテ28:黒波
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「確かに、ワシは、……悪い夫じゃった。じゃがのぅ、お前たちは黒波の弟の子孫じゃろう。ワシたちのすべてを知るわけでなく、黒波が不幸でしかなかったなどと思わんで欲しい。」
かはっと、本体は血を吐いた。
「ワシは、黒波さえいれば、それでよかったんじゃ……。守り切れなんだ、情けなや。」
じゃが、あの微笑も。
温かさも。
嘘だったとは思いたくない。
「狐太郎様……!」
岐里さんが本体の手を握る。
「千年経って、ようやっと、また会えたのじゃ。もう、二度と、不幸にはしない…。」
牙狼は岐里を見る。
岐里は涙を湛えて狐太郎だけを見つめる。
どことなく自分の一族らしい容貌。
しっとりとした美貌。
くいくいと、狐太郎はもう片方の手で分身を呼んだ。
分身に力を渡し、分身が本体に。本体が分身に。
そうして、狐太郎の本体だった者は事切れた。
「お前も自由になるのじゃ。」
狐太郎の言葉に、牙狼は脱力して蹲った。
「よ――――――――――――しよしよし。」
「きゃんきゃん!」
アヤの周りにはアニーとかいう犬と白装束だった狼たちがわんさか。
みんな犬型でお腹を見せて撫でられている。
<いやん!ゴールドフィンガー!>
<こっ、この俺様が!でも気持ちいい!>
「うまくいったみたいだな。無傷じゃないが…。」
ぽか、っと狛はアヤの頭をこづく。
「って!」
「俺だけのアヤなのに!みんなをもふるなんて狡い!浮気者!」
ぷうっと膨れた頬が可愛い。
「狛、今夜、な。」
「う、うん。」
そういうことならいっか。
せっかく白無垢だしね!
かはっと、本体は血を吐いた。
「ワシは、黒波さえいれば、それでよかったんじゃ……。守り切れなんだ、情けなや。」
じゃが、あの微笑も。
温かさも。
嘘だったとは思いたくない。
「狐太郎様……!」
岐里さんが本体の手を握る。
「千年経って、ようやっと、また会えたのじゃ。もう、二度と、不幸にはしない…。」
牙狼は岐里を見る。
岐里は涙を湛えて狐太郎だけを見つめる。
どことなく自分の一族らしい容貌。
しっとりとした美貌。
くいくいと、狐太郎はもう片方の手で分身を呼んだ。
分身に力を渡し、分身が本体に。本体が分身に。
そうして、狐太郎の本体だった者は事切れた。
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「よ――――――――――――しよしよし。」
「きゃんきゃん!」
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みんな犬型でお腹を見せて撫でられている。
<いやん!ゴールドフィンガー!>
<こっ、この俺様が!でも気持ちいい!>
「うまくいったみたいだな。無傷じゃないが…。」
ぽか、っと狛はアヤの頭をこづく。
「って!」
「俺だけのアヤなのに!みんなをもふるなんて狡い!浮気者!」
ぷうっと膨れた頬が可愛い。
「狛、今夜、な。」
「う、うん。」
そういうことならいっか。
せっかく白無垢だしね!
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