上 下
31 / 43

カルテ26:祝言に潜入せよ

しおりを挟む
「まあ。長さま。なんて可愛らしいんでしょう。」

白無垢に角隠し。

婚礼衣装を着せられて…。


泣きはらした目には化粧を施された。



もう、アヤに会えない…。

アヤ…。


こんなことなら、早くアヤに抱かれておけばよかった。


初めてはアヤが良かったな…。



褐色の男がニヤニヤと笑っている。

「俺の名前はアニーだ。よろしくな。」

(くくく、美味そうだ。)


俺のことを頭の先からつま先まで見て。


嫌だ。

こんな男に…。


逃げ出したくても、白い人たちが取り囲んでいる。

会場を開けると、光の環に二重三重に拘束された狐太郎様が神の座にいる。


「祝言と同時に引継ぎしましょう。あの男はもう用済みです。」

牙狼―――――とかいったこの人。狐太郎様にどんな恨みがあるんだろう。




てくてく、とぼとぼと歩く。

脇から父さんと母さんが来た。


「狛!狛!!」


「父さん、かあさ――――」

「コマぁア!!!!!!」


その声にはっとして、人混みの中から彼を見つけた。




「あや、あや!!!!!」

白い特攻服の彼と抱き合う。




「曲者だ!!!」
「出会え!!!」


「文や、狛を守り抜くのじゃぞ?」

豊かな金髪。真っ赤なズボン。

「狐太郎様、行きましょう!」



「なっ!?狐太郎様???分身??そんなものが――――――」

「はっはぁ!わしは優秀でのぅ、結界に力の殆どを使っても多少のことはできちゃうのよ!」


「このカミ島は結界を捨てる!長の制度は廃止する!!それでも回る様に世界を造り変えるからじゃ!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

召喚聖女が十歳だったので、古株の男聖女はまだ陛下の閨に呼ばれるようです

月歌(ツキウタ)
BL
十代半ばで異世界に聖女召喚されたセツ(♂)。聖女として陛下の閨の相手を務めながら、信頼を得て親友の立場を得たセツ。三十代になり寝所に呼ばれることも減ったセツは、自由気ままに異世界ライフを堪能していた。 なのだけれど、陛下は新たに聖女召喚を行ったらしい。もしかして、俺って陛下に捨てられるのかな? ★表紙絵はAIピカソで作成しました。

謎の死を遂げる予定の我儘悪役令息ですが、義兄が離してくれません

柴傘
BL
ミーシャ・ルリアン、4歳。 父が連れてきた僕の義兄になる人を見た瞬間、突然前世の記憶を思い出した。 あれ、僕ってばBL小説の悪役令息じゃない? 前世での愛読書だったBL小説の悪役令息であるミーシャは、義兄である主人公を出会った頃から蛇蝎のように嫌いイジメを繰り返し最終的には謎の死を遂げる。 そんなの絶対に嫌だ!そう思ったけれど、なぜか僕は理性が非常によわよわで直ぐにキレてしまう困った体質だった。 「おまえもクビ!おまえもだ!あしたから顔をみせるなー!」 今日も今日とて理不尽な理由で使用人を解雇しまくり。けれどそんな僕を見ても、主人公はずっとニコニコしている。 「おはようミーシャ、今日も元気だね」 あまつさえ僕を抱き上げ頬擦りして、可愛い可愛いと連呼する。あれれ?お兄様、全然キャラ違くない? 義弟が色々な意味で可愛くて仕方ない溺愛執着攻め×怒りの沸点ド底辺理性よわよわショタ受け 9/2以降不定期更新

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします。……やっぱり狙われちゃう感じ?

み馬
BL
※ 完結しました。お読みくださった方々、誠にありがとうございました! 志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、とある加護を受けた8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 独自設定、造語、下ネタあり。出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。 ★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

総長の彼氏が俺にだけ優しい

桜子あんこ
BL
ビビりな俺が付き合っている彼氏は、 関東で最強の暴走族の総長。 みんなからは恐れられ冷酷で悪魔と噂されるそんな俺の彼氏は何故か俺にだけ甘々で優しい。 そんな日常を描いた話である。

俺は成人してるんだが!?~長命種たちが赤子扱いしてくるが本当に勘弁してほしい~

アイミノ
BL
ブラック企業に務める社畜である鹿野は、ある日突然異世界転移してしまう。転移した先は森のなか、食べる物もなく空腹で途方に暮れているところをエルフの青年に助けられる。 これは長命種ばかりの異世界で、主人公が行く先々「まだ赤子じゃないか!」と言われるのがお決まりになる、少し変わった異世界物語です。 ※BLですがR指定のエッチなシーンはありません、ただ主人公が過剰なくらい可愛がられ、尚且つ主人公や他の登場人物にもカップリングが含まれるため、念の為R15としました。 初投稿ですので至らぬ点が多かったら申し訳ないです。 投稿頻度は亀並です。

【完結】祝福をもたらす聖獣と彼の愛する宝もの

BL
「おまえは私の宝だから」 そう言って前世、まだ幼い少年にお守りの指輪をくれた男がいた。 少年は家庭に恵まれず学校にも馴染めず、男の言葉が唯一の拠り所に。 でもその数年後、少年は母の新しい恋人に殺されてしまう。「宝もの」を守れなかったことを後悔しながら。 前世を思い出したヨアンは魔法名門侯爵家の子でありながら魔法が使えず、「紋なし」と呼ばれ誰からも疎まれていた。 名門家だからこそ劣等感が強かった以前と違い、前世を思い出したヨアンは開き直って周りを黙らせることに。勘当されるなら願ったり。そう思っていたのに告げられた進路は「聖獣の世話役」。 名誉に聞こえて実は入れ替わりの激しい危険な役目、実質の死刑宣告だった。 逃げるつもりだったヨアンは、聖獣の正体が前世で「宝」と言ってくれた男だと知る。 「本日からお世話役を…」 「祝福を拒絶した者が?」 男はヨアンを覚えていない。当然だ、前世とは姿が違うし自分は彼の宝を守れなかった。 失望するのはお門違い。今世こそは彼の役に立とう。 ☆神の子である聖獣×聖獣の祝福が受け取れない騎士 ☆R18はタイトルに※をつけます

R18禁BLゲームの主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成りました⁉

あおい夜
BL
昨日、自分の部屋で眠ったあと目を覚ましたらR18禁BLゲーム“極道は、非情で温かく”の主人公(総攻め)の弟(非攻略対象)に成っていた! 弟は兄に溺愛されている為、嫉妬の対象に成るはずが?

処理中です...