婚約破棄に先手を打った悪役令息は、契約により王太子の側妃という名の奴隷になる

竜鳴躍

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僕は側妃という名の奴隷

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目が覚めると、持ってきた荷物は離宮の侍従により片付けられ、裸でベッドに寝かされていた。

「起きたかい。」

きっちりと服を身につけたギアがやってきた。

ちゃんとしていれば、立派な王太子に見える。

生殖機能がないせいで王太子の座から降ろされた第一王子のニア様のように明朗快活でなくとも、立ち居振る舞いには有無を言わせぬ威厳がある。


「そんなに見つめられると照れるな。」

「睨んでいるんです。こんな、騙すように連れてくるなんて。だいたい妃なんて。あなたは女性を娶れるでしょう!僕は子どもを産めるか分からない!」

「そう。だから君は今は側妃だ。」


「側妃!?」

「実験期間は1年。それで孕まなければ研究は打ち切り。打ち切ったとしても私は君を放すつもりはないが、できれば私は君に正妃になってほしい。」

男なら側妃にしても問題ないらしい。

それと、ギアは兄の婚約者を通常なら下げ渡される。
だが、兄から婚約者を奪いたくない。


「レイリー。私はお前がいいんだよ。だから孕め。」

動けない体を抱っこされる。



分からない。


分からない。



僕がいい?


どういうこと?


僕を奴隷として欲しかったんじゃないの?

あんなふうに僕の初めてを奪ったくせに………。


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