90 / 138
【閑話】オリーブの顛末
しおりを挟む
「窃盗」
「犯罪教唆」
「殺人」
「傷害殺人未遂」
「未成年だった頃の犯罪が多く、まだ本来であれば学生の年頃とは言え、特にアラビアンナイト帝国の前陛下の殺害は国際問題となっております。今や、オリーブ=シガレット…。いや、オリーブは第一級の国際指名犯といってもいい。実の双子の弟であり、聖女であるリリアン=クレイバー公爵夫人を害そうなどと、重犯罪です。」
何度目かの法廷。
粗末な服を着せられて、縛られて。
なによ、この黒と白のしましま。
どうしてよ。
あいつは持て囃されて…。
「もう、若いからと更生の余地に期待する時期は過ぎています。田舎で余生を送る両親も引き取りを拒否しました。同じシガレットですが、一度貴族ではなくなり、新たに興したシガレット家は彼女とは無関係。ゆえに、保証人も建てられない。」
「死刑だな。」
「ですが、恨んで呪いをかけられても困ります。」
「まさか…ストーンの方がマシと思う日が来るとは…。」
「ああ、ストーンですが、本当に悔い改めたようですね。ストーンも実の両親を手にかけ、多くの国民を苦しめた。だが今では、本当に愛した人の躯を弔っているようですな。亡くなった方の親族がストーンにプロポーズしたようですが、断ったようですよ。」
そうよ、あいつだってヤったじゃない!
なのになんであいつは許されるわけぇ!?反省したらいいっての?じゃ、私だって反省シマース!
「ストーンとお前は違う。ストーンの罪はなんだかんだ、証拠もない。公表できないものだったり、悪政は強いたが、その結果として起きたことについて、極刑で責任を追及するほどのものではない。またお前のは国際問題なのだ。」
「追及されないからこそ、ストーンは余計に苦しんでいるのだ。それも分からんのか、この女。」
「私は…!悪くない!!!悪いのは全部あいつよ!リリアンよ!」
「君は神に喧嘩を売った。すべての報いは全部いずれお前に還ってくるだろう。」
―――――――――それからオリーブを見た者は誰もいない。
「犯罪教唆」
「殺人」
「傷害殺人未遂」
「未成年だった頃の犯罪が多く、まだ本来であれば学生の年頃とは言え、特にアラビアンナイト帝国の前陛下の殺害は国際問題となっております。今や、オリーブ=シガレット…。いや、オリーブは第一級の国際指名犯といってもいい。実の双子の弟であり、聖女であるリリアン=クレイバー公爵夫人を害そうなどと、重犯罪です。」
何度目かの法廷。
粗末な服を着せられて、縛られて。
なによ、この黒と白のしましま。
どうしてよ。
あいつは持て囃されて…。
「もう、若いからと更生の余地に期待する時期は過ぎています。田舎で余生を送る両親も引き取りを拒否しました。同じシガレットですが、一度貴族ではなくなり、新たに興したシガレット家は彼女とは無関係。ゆえに、保証人も建てられない。」
「死刑だな。」
「ですが、恨んで呪いをかけられても困ります。」
「まさか…ストーンの方がマシと思う日が来るとは…。」
「ああ、ストーンですが、本当に悔い改めたようですね。ストーンも実の両親を手にかけ、多くの国民を苦しめた。だが今では、本当に愛した人の躯を弔っているようですな。亡くなった方の親族がストーンにプロポーズしたようですが、断ったようですよ。」
そうよ、あいつだってヤったじゃない!
なのになんであいつは許されるわけぇ!?反省したらいいっての?じゃ、私だって反省シマース!
「ストーンとお前は違う。ストーンの罪はなんだかんだ、証拠もない。公表できないものだったり、悪政は強いたが、その結果として起きたことについて、極刑で責任を追及するほどのものではない。またお前のは国際問題なのだ。」
「追及されないからこそ、ストーンは余計に苦しんでいるのだ。それも分からんのか、この女。」
「私は…!悪くない!!!悪いのは全部あいつよ!リリアンよ!」
「君は神に喧嘩を売った。すべての報いは全部いずれお前に還ってくるだろう。」
―――――――――それからオリーブを見た者は誰もいない。
638
お気に入りに追加
2,495
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
自己評価下の下のオレは、血筋がチートだった!?
トール
BL
一般家庭に生まれ、ごく普通の人生を歩んで16年。凡庸な容姿に特出した才もない平凡な少年ディークは、その容姿に負けない平凡な毎日を送っている。と思っていたのに、周りから見れば全然平凡じゃなかった!?
実はこの世界の創造主(神王)を母に持ち、騎士団の師団長(鬼神)を父に持つ尊い血筋!? 両親の素性を知らされていない世間知らずな少年が巻き起こすドタバタBLコメディー。
※「異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ」の主人公の息子の話になります。
こちらを読んでいなくても楽しめるように作っておりますが、親の話に興味がある方はぜひズボラライフも読んでいただければ、より楽しめる作品です。
悪役令息に転生したけど…俺…嫌われすぎ?
「ARIA」
BL
階段から落ちた衝撃であっけなく死んでしまった主人公はとある乙女ゲームの悪役令息に転生したが...主人公は乙女ゲームの家族から甘やかされて育ったというのを無視して存在を抹消されていた。
王道じゃないですけど王道です(何言ってんだ?)どちらかと言うとファンタジー寄り
更新頻度=適当
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる