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不甲斐なくて情けなくて、それでも
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「…リリアンっ!」
首に残る違和感。
夕べ、途中から記憶がない!
朝起きて、リリアンのテントに行けば、リリアンはいなくて…。
自分の不甲斐なさに心臓が苦しい。
頭は空回り、焦る想いが次から次へと止まらない。
焦っても仕方ない。
リリアンは攫われたのだ。
だからこそ、一刻も早く助けるためにも…、私がしっかりしなければ。
今頃どれだけ心細い思いをしていることか。
リリアンにはトラウマがあった。
信頼できる相手を傍に置き、絶対に急に抱きしめない。
そういったことを徹底して、少しずつ、少しずつ慣れていった。
今では屋敷の者や、護衛や、使用人…、先生、友人たち…。
男であっても普通に接することができる相手が増えていったのに。
恐ろしい目にあって、また、フラッシュバックしていないだろうか。
「申し訳ありません!」
「私たちがついていながら!」
私も彼らも眠らされていた。
全く想定外だった。
これだけ即効性のある薬剤。
しかも遠距離からと思われる、闇夜での正確な狙撃。
私は僅かに開いたテントの隙間から、彼らには離れた藪の中からだろうか。
思い当たる節はある。
ヴィラン王国だ。
スノー女王陛下から注意されていたのに、このありさま。
全く情けない…。
「周囲に痕跡があるはずだ、おそらくリリアンはヴィラン王国に連れ攫われたに違いない!やつらの隠れ家に一回行ったのか、向かった方向だけでも調べてくれ。追うぞ!」
「ハッ!」
………私はその間に。
「クライス先生。」
真っ白な肌のあでやかな女教師。ことあるごとに私を誘惑しようとしてきた。
だが、本気で私を落とそうとしているわけではない。
彼女の狙いがよくわからなかった。
「リリアンがヴィラン王国に攫われました。居場所を探しています。」
私の言葉で、いつもにこやかな表情を苦々しいものに変えたクライス先生は、吐き捨てるように言った。
「—-------兄が申し訳ありません。私はヴィラン王国国王の妹、アンドレア=クライス=ヴィラン。協力させてください。」
首に残る違和感。
夕べ、途中から記憶がない!
朝起きて、リリアンのテントに行けば、リリアンはいなくて…。
自分の不甲斐なさに心臓が苦しい。
頭は空回り、焦る想いが次から次へと止まらない。
焦っても仕方ない。
リリアンは攫われたのだ。
だからこそ、一刻も早く助けるためにも…、私がしっかりしなければ。
今頃どれだけ心細い思いをしていることか。
リリアンにはトラウマがあった。
信頼できる相手を傍に置き、絶対に急に抱きしめない。
そういったことを徹底して、少しずつ、少しずつ慣れていった。
今では屋敷の者や、護衛や、使用人…、先生、友人たち…。
男であっても普通に接することができる相手が増えていったのに。
恐ろしい目にあって、また、フラッシュバックしていないだろうか。
「申し訳ありません!」
「私たちがついていながら!」
私も彼らも眠らされていた。
全く想定外だった。
これだけ即効性のある薬剤。
しかも遠距離からと思われる、闇夜での正確な狙撃。
私は僅かに開いたテントの隙間から、彼らには離れた藪の中からだろうか。
思い当たる節はある。
ヴィラン王国だ。
スノー女王陛下から注意されていたのに、このありさま。
全く情けない…。
「周囲に痕跡があるはずだ、おそらくリリアンはヴィラン王国に連れ攫われたに違いない!やつらの隠れ家に一回行ったのか、向かった方向だけでも調べてくれ。追うぞ!」
「ハッ!」
………私はその間に。
「クライス先生。」
真っ白な肌のあでやかな女教師。ことあるごとに私を誘惑しようとしてきた。
だが、本気で私を落とそうとしているわけではない。
彼女の狙いがよくわからなかった。
「リリアンがヴィラン王国に攫われました。居場所を探しています。」
私の言葉で、いつもにこやかな表情を苦々しいものに変えたクライス先生は、吐き捨てるように言った。
「—-------兄が申し訳ありません。私はヴィラン王国国王の妹、アンドレア=クライス=ヴィラン。協力させてください。」
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