笑うとリアルで花が咲き泣くと涙が宝石になる化け物の俺は、おひとり様を満喫しようと思っていたのに何故か溺愛されています。

オリーブ

「なによ。なんなのよ。」

私を牢屋に入れたくせに。


…あれ？こいつだったっけ？？？

でもいいわ、最終的にはこいつが決定したんだから一緒よ。


金髪は乱れ、愛らしかった顔は汚れて、白いデビュタントのドレスもくすみ、ギラギラした瞳がストーンを睨む。



「睨むなよ。醜い顔がさらに醜い。そもそも不敬だぞ？今のお前は男爵令嬢を通り越して平民なんだからな。」


「平民っ！？」

「当り前だろう。王城で、国をあげての公式行事の場所で、あんな騒ぎを起こして。お前の兄は爵位を返上したぞ。かわいそうになぁ。あいつ自身は親に似ずまともで、あいつ自身は何もしていないのに。最後に残った妹のせいで性奴隷の身に堕ちた。裸にさせて騎士舎にぶち込んだからきっと今頃は…。アルファでもより強いアルファにやられれば、オメガに変異するらしいから、今頃はオメガかもな。」


「……私だけでも貴族に戻してよ！私のお陰でしょ！あの子がオメガだって、あなたの本物の運命の番だって教えてあげたのは私なのに！」



「兄の心配なんてしない、自分だけよければいいか。お前は本当にクズだな。」


「私は世界一可愛いのよ。私はちやほやされるべきなのよ！」

「昔は可愛かったが、今はそこまでのものか？成長で顔が縦に伸びてバランスが崩れたんだろ。小さい頃可愛すぎると、大人になったら劣化するもんだ。私のあの子はますます可愛くなっていたがな。そこも本物と偽物の違いだな。」


「うっさいわね！私を解放しなさいよ！」


「お前が私の望みをかなえてくれるなら、貴族に戻してやるぞ？」



「何をすればいいのよ？薄々分かるけど。」



「あの子を騙して連れて来い。」




「私のこと嫌ってるんじゃない？」

「無理なら貴族には戻れないな。お前は嫌いでも兄の方はどうなんだ。」



「なるほどね。……やってみるわ。」