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この国大丈夫か
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「いやぁ、まさか…っ、カカオが…とは。正直想定外だった。だが、やはり私たちは運命……っ。」
「殿下?そろそろホームルームが始まりますので、クラスにお戻りください。」
「やはり、お前は嫡男だからな、戸惑いはあるだろう。いきなり…だものな。だが安心しろ。私はお前の味方だ。」
「何のことでしょうか?」
首を傾げて困り顔で見上げてみた。
なるべく可愛く。
「か、かかかかお!」
「誰か、殿下が体調が悪いようです。医務室へ。いや、もう宮殿に戻られた方がよろしいかと。きみ。」
「わ、あ、ちょ」
護衛騎士を呼んで、相変わらず………いや、輪をかけて気持ち悪いアイツを城に返してやった。
永遠に部屋からでなければいいと思う。
この国の王にはアイツしか子がいない。
アレでもシモが関わらなければ優秀ではあるのだが。
欠点が壊滅的すぎる。
この国大丈夫か………?
僕は一生リリアンを隠し通すぞ!
絶対にアイツから守る!
「私は病気ではない!カカオ、カカオにあわせろ!学園に戻る!!」
城中に響き渡る声。
つかつかと、後ろに侍女を従えて、真っ赤なドレスの淑女が現れる。
銀髪に白い肌。ピンクペリドットの瞳の若々しい女性は、扇子を開いて口元を隠した。
「ストーン。どうしてお前は勉強は出来るのにこうなの?婚約者ができれば落ち着くと思ったのに……。」
「母上!カカオが、カカオが私の運命だったのです!」
「バカなことを。あの子はアルファで公爵家の跡取り。お前と仲も良くなかったでしょう?シガレット伯爵令嬢のことも運命だと言ってなかったかしら?安い運命だこと。」
「あれは偽物です!」
「いい加減にしなさい。お前が選んで、婚約式をしたの。お前がどの子も気に入らないというから同年代にいなくなって、伯爵家の6才の幼子から選ぶまでになったのに。今更認めませんよ?」
「オリーブはベータですっ!シガレット伯爵家に罰をあたえねば!」
「それはコチラで調べておきます。でも、カカオに付き纏うのは許しません!」
「母上!」
あの子、王太子位からおろそうかしら。
王妃の心中は複雑。
「殿下?そろそろホームルームが始まりますので、クラスにお戻りください。」
「やはり、お前は嫡男だからな、戸惑いはあるだろう。いきなり…だものな。だが安心しろ。私はお前の味方だ。」
「何のことでしょうか?」
首を傾げて困り顔で見上げてみた。
なるべく可愛く。
「か、かかかかお!」
「誰か、殿下が体調が悪いようです。医務室へ。いや、もう宮殿に戻られた方がよろしいかと。きみ。」
「わ、あ、ちょ」
護衛騎士を呼んで、相変わらず………いや、輪をかけて気持ち悪いアイツを城に返してやった。
永遠に部屋からでなければいいと思う。
この国の王にはアイツしか子がいない。
アレでもシモが関わらなければ優秀ではあるのだが。
欠点が壊滅的すぎる。
この国大丈夫か………?
僕は一生リリアンを隠し通すぞ!
絶対にアイツから守る!
「私は病気ではない!カカオ、カカオにあわせろ!学園に戻る!!」
城中に響き渡る声。
つかつかと、後ろに侍女を従えて、真っ赤なドレスの淑女が現れる。
銀髪に白い肌。ピンクペリドットの瞳の若々しい女性は、扇子を開いて口元を隠した。
「ストーン。どうしてお前は勉強は出来るのにこうなの?婚約者ができれば落ち着くと思ったのに……。」
「母上!カカオが、カカオが私の運命だったのです!」
「バカなことを。あの子はアルファで公爵家の跡取り。お前と仲も良くなかったでしょう?シガレット伯爵令嬢のことも運命だと言ってなかったかしら?安い運命だこと。」
「あれは偽物です!」
「いい加減にしなさい。お前が選んで、婚約式をしたの。お前がどの子も気に入らないというから同年代にいなくなって、伯爵家の6才の幼子から選ぶまでになったのに。今更認めませんよ?」
「オリーブはベータですっ!シガレット伯爵家に罰をあたえねば!」
「それはコチラで調べておきます。でも、カカオに付き纏うのは許しません!」
「母上!」
あの子、王太子位からおろそうかしら。
王妃の心中は複雑。
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