笑うとリアルで花が咲き泣くと涙が宝石になる化け物の俺は、おひとり様を満喫しようと思っていたのに何故か溺愛されています。

竜鳴躍

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大丈夫かなあ…

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「じゃあね、リリアン。行ってきます!」

「はっ、はいっ。」


今日から学園の新学期が始まる。

年度中に13歳の誕生日が来る貴族の子どもは、学園に通うからだ。
学園は、原則として13歳から18歳まで通う。
中にはスキップして早く終わる子もいれば、いろんな事情で皆より遅れて入る子も、途中から入ってくる子もいるらしいけど。

公爵家の長男であるはずのカカは、普段はビューテ侯爵家で暮らし、侯爵家から学園に通っている。
公爵領が王家と距離が物理的に距離が近すぎて(だからこの間も押しかけてきてしまった…)、王太子避けで実家にいたくないらしい。
公爵家の後継としての勉強も大切だけど、それはたまにお家に帰って、ががーっと指導を受けているのだとか…。


「はい、リリアン。お願い。」

玄関で腕を広げてほほ笑むカカに思いっきりぎゅううっと抱き着く。


俺の匂いをつけるために…。


「……カカ、気を付けてね。僕のためにごめんなさい。避けるくらい嫌いだったのに…。」

「気にしないで。相手をするのがめんどくさいから避けていただけで、その気になればあしらえる相手だから。リリアンのためなら全然平気だよ?」


胸がきゅうっとなる。



「さ、それじゃリリアン様もお勉強の時間ですね。」

「ええっ、ケイト!今日は新しい化粧品を開発したかったのに。」

「先生がお待ちですよ。私も一緒に受けますから。頑張れたら実家からハーブをお渡ししますよ。」

「ん……。がんばり、ます。」









「カカオ~♡」

教室につくと、諸悪の根源がまんまと俺に声を掛けに来た。

「殿下、別のクラスでしょう?」


「愛しの従兄弟と早く会いたかったんだよ!」

カカオは冷めた目で石井を見た。
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