14 / 52
婚約式とお茶会
しおりを挟む
「それでは、婚約が成立いたしました。おめでとうございます。」
ストーン=ウェル=グリム殿下はオリーブ=シガレット伯爵令嬢と婚約した。
(……なんだろう、違和感がある。確かにこの前はすごくかわいくみえたのに。和哉の匂いがしたのに…。和哉……だよな?僕が転生したのだから転生しているはずなのに。だって僕はそれを願ったのだから。僕たちは運命だったのだから…。)
ふわっと漂う薔薇の香り。
確かに、和哉の香り…。
気のせい、か??
なんだか今日は緊張しているのか表情が固い。
違和感?
和哉が男じゃなかったから?
いや、和哉ならばどっちでもいいんだ。男でも女でも。
「婚約式も済んだことだし、庭でお茶でもしないかい?」
「まあ素敵。」
小さな手をエスコートしてテーブルにつく。
「君はチョコレートケーキが好きだっただろう?アプリコットジャムが美味しいガトーショコラを用意しているんだ。」
「まぁ…。」
「チョコレート好きじゃなかった?」
おかしいな。和哉はチョコレートが大好きだったんだけどな。
「そういえば、いつもピンクのふりふりだね。ピンクすきなの?」
和哉はレースとかフリルとか可愛いものが好きだったな。
レースの可愛いパンツを引き出しにプレゼントしたのに、恥ずかしがって着てくれなかったけど。
「ピンク……好きです。」
「でも、ピンクばっかりではね。差し色もないと。フリルもフリルばっかりだとフリルのおばけみたいだよ。もう、分かってるくせに。君らしくないなぁ。お母さまの言う通りなのかな??」
(さっきから殿下は何を言っているの?どうして交流が始まったばかりなのに前から知っているみたいに言うの?そのくせおかしなことばっかり!私はチョコレートよりフルーツがたくさんのショートケーキのほうが好きなのに。それにもしかして、私のドレスがみっともないって言われてる…???)
「あぁ、早く君を見せびらかしたいなぁ。君と夜会でダンスを踊りたい。」
ふふ、とほほ笑む笑顔が怖い。
私がオメガじゃないって…。あの香りは弟なんですってバレたらどうなるの…。
ストーン=ウェル=グリム殿下はオリーブ=シガレット伯爵令嬢と婚約した。
(……なんだろう、違和感がある。確かにこの前はすごくかわいくみえたのに。和哉の匂いがしたのに…。和哉……だよな?僕が転生したのだから転生しているはずなのに。だって僕はそれを願ったのだから。僕たちは運命だったのだから…。)
ふわっと漂う薔薇の香り。
確かに、和哉の香り…。
気のせい、か??
なんだか今日は緊張しているのか表情が固い。
違和感?
和哉が男じゃなかったから?
いや、和哉ならばどっちでもいいんだ。男でも女でも。
「婚約式も済んだことだし、庭でお茶でもしないかい?」
「まあ素敵。」
小さな手をエスコートしてテーブルにつく。
「君はチョコレートケーキが好きだっただろう?アプリコットジャムが美味しいガトーショコラを用意しているんだ。」
「まぁ…。」
「チョコレート好きじゃなかった?」
おかしいな。和哉はチョコレートが大好きだったんだけどな。
「そういえば、いつもピンクのふりふりだね。ピンクすきなの?」
和哉はレースとかフリルとか可愛いものが好きだったな。
レースの可愛いパンツを引き出しにプレゼントしたのに、恥ずかしがって着てくれなかったけど。
「ピンク……好きです。」
「でも、ピンクばっかりではね。差し色もないと。フリルもフリルばっかりだとフリルのおばけみたいだよ。もう、分かってるくせに。君らしくないなぁ。お母さまの言う通りなのかな??」
(さっきから殿下は何を言っているの?どうして交流が始まったばかりなのに前から知っているみたいに言うの?そのくせおかしなことばっかり!私はチョコレートよりフルーツがたくさんのショートケーキのほうが好きなのに。それにもしかして、私のドレスがみっともないって言われてる…???)
「あぁ、早く君を見せびらかしたいなぁ。君と夜会でダンスを踊りたい。」
ふふ、とほほ笑む笑顔が怖い。
私がオメガじゃないって…。あの香りは弟なんですってバレたらどうなるの…。
1,381
お気に入りに追加
2,393
あなたにおすすめの小説
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
追放されたボク、もう怒りました…
猫いちご
BL
頑張って働いた。
5歳の時、聖女とか言われて神殿に無理矢理入れられて…早8年。虐められても、たくさんの暴力・暴言に耐えて大人しく従っていた。
でもある日…突然追放された。
いつも通り祈っていたボクに、
「新しい聖女を我々は手に入れた!」
「無能なお前はもう要らん! 今すぐ出ていけ!!」
と言ってきた。もう嫌だ。
そんなボク、リオが追放されてタラシスキルで周り(主にレオナード)を翻弄しながら冒険して行く話です。
世界観は魔法あり、魔物あり、精霊ありな感じです!
主人公は最初不遇です。
更新は不定期です。(*- -)(*_ _)ペコリ
誤字・脱字報告お願いします!
【完結】お嬢様の身代わりで冷酷公爵閣下とのお見合いに参加した僕だけど、公爵閣下は僕を離しません
八神紫音
BL
やりたい放題のわがままお嬢様。そんなお嬢様の付き人……いや、下僕をしている僕は、毎日お嬢様に虐げられる日々。
そんなお嬢様のために、旦那様は王族である公爵閣下との縁談を持ってくるが、それは初めから叶わない縁談。それに気付いたプライドの高いお嬢様は、振られるくらいなら、と僕に女装をしてお嬢様の代わりを果たすよう命令を下す。
【完結】婚約破棄された僕はギルドのドSリーダー様に溺愛されています
八神紫音
BL
魔道士はひ弱そうだからいらない。
そういう理由で国の姫から婚約破棄されて追放された僕は、隣国のギルドの町へとたどり着く。
そこでドSなギルドリーダー様に拾われて、
ギルドのみんなに可愛いとちやほやされることに……。
龍の寵愛を受けし者達
樹木緑
BL
サンクホルム国の王子のジェイドは、
父王の護衛騎士であるダリルに憧れていたけど、
ある日偶然に自分の護衛にと推す父王に反する声を聞いてしまう。
それ以来ずっと嫌われていると思っていた王子だったが少しずつ打ち解けて
いつかはそれが愛に変わっていることに気付いた。
それと同時に何故父王が最強の自身の護衛を自分につけたのか理解す時が来る。
王家はある者に裏切りにより、
無惨にもその策に敗れてしまう。
剣が苦手でずっと魔法の研究をしていた王子は、
責めて騎士だけは助けようと、
刃にかかる寸前の所でとうの昔に失ったとされる
時戻しの術をかけるが…
国王の嫁って意外と面倒ですね。
榎本 ぬこ
BL
一国の王であり、最愛のリヴィウスと結婚したΩのレイ。
愛しい人のためなら例え側妃の方から疎まれようと頑張ると決めていたのですが、そろそろ我慢の限界です。
他に自分だけを愛してくれる人を見つけようと思います。
無気力令息は安らかに眠りたい
餅粉
BL
銃に打たれ死んだはずだった私は目を開けると
『シエル・シャーウッド,君との婚約を破棄する』
シエル・シャーウッドになっていた。
どうやら私は公爵家の醜い子らしい…。
バース性?なんだそれ?安眠できるのか?
そう,私はただ誰にも邪魔されず安らかに眠りたいだけ………。
前半オメガバーズ要素薄めかもです。
平凡でモブな僕が鬼将軍の番になるまで
月影美空
BL
平凡で人より出来が悪い僕、アリアは病弱で薬代や治療費がかかるため
奴隷商に売られてしまった。奴隷商の檻の中で衰弱していた時御伽噺の中だけだと思っていた、
伝説の存在『精霊』を見ることができるようになる。
精霊の助けを借りて何とか脱出できたアリアは森でスローライフを送り始める。
のはずが、気が付いたら「ガーザスリアン帝国」の鬼将軍と恐れられている
ルーカス・リアンティスの番になっていた話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる