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番外編
でばがめ王子の幸せはどっちだ8
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「僕………私は伯爵家から出ます!」
そう言うと、シャドーは礼をとった。
「出るって…。いいの?」
顔を傷つけてまで、師匠の求める『影』になりたい、認めてもらいたいって思っていたんじゃ?
「確かに以前の私にとっては、ブラック伯爵家は大事で、呪詛のように我が家らしい『影』になろうとしていたことは確かです。ですが………セイ殿下を見ていると、だんだんどうでもよく思えてきてしまって。」
失敗ばかりのやらかし王子。
いつも兄殿下と比べられてばかりの王子。
だけど、自分なりに頑張って、自分の良さをみつけて、前向きに頑張っている。
僕と同じで本当は後ろ向きで、弱い人なのに。
そういう姿を見ていたら、だんだん惹かれてしまうのも必然でしょう?
そうして好きになったなら、良い影響を受けるのも、また……。
「いいんです。父上には一度も褒められなかったけど、父上が私のことを見捨てるのなら、こっちが見捨ててもいいと思えます。今でも自分の顔は自分ではあまり好きではないけど、それでも、少しずつ自分を好きになりたい。殿下のように…。殿下と一緒に生きていくことができれば、そうなれる気がするのです。」
この言葉に感激した私は、シャドーの手をとって握りしめた。
母上は淑女を置き去りにして号泣しながら、『合格よ!』とでも言わんばかりに親指を立てて。
師匠は師匠で、私とシャドーが結婚することを報告すればとても慌てていた。
やっぱり『虐待』をしてしまっていることに気付いていなかったみたい。
がっくりと肩を落としていた。
伯爵家の後継は、遠縁から迎えることになるらしい。
こうしててんやわんやでシャドーと結婚して…。
初夜!!!!
いやあ、ついにこの時が…。
でもそういえば、私が『夫』でいいのだよね…????
シャドーはヴェールをつけずにタキシードだったけど…。
私もヴェールはつけなかったし………。
なん……だ…か……嫌な予感………が…。
「セイ♡」
シャワールームからあがったシャドーがバスローブを身に着けて、髪の毛をふく。
鎖骨がエロっ!
「結婚しちゃったね。」
「う、うん。」
「これからしちゃうんだよ?」
「うん。」
「もう妄想なんかしなくていいね。僕はいつでもオッケーだから。」
「うん!」
下半身に熱が集まる。
「オランジェ妃ばっかり見ちゃイヤだからね♡」
「もちろん!!」
シャドーが妖しくほほ笑んだと思ったら。
ふわりと体が宙に浮き、ベッドに沈んだ。
まさか――――――――――!やっぱりそうか!!
そう言うと、シャドーは礼をとった。
「出るって…。いいの?」
顔を傷つけてまで、師匠の求める『影』になりたい、認めてもらいたいって思っていたんじゃ?
「確かに以前の私にとっては、ブラック伯爵家は大事で、呪詛のように我が家らしい『影』になろうとしていたことは確かです。ですが………セイ殿下を見ていると、だんだんどうでもよく思えてきてしまって。」
失敗ばかりのやらかし王子。
いつも兄殿下と比べられてばかりの王子。
だけど、自分なりに頑張って、自分の良さをみつけて、前向きに頑張っている。
僕と同じで本当は後ろ向きで、弱い人なのに。
そういう姿を見ていたら、だんだん惹かれてしまうのも必然でしょう?
そうして好きになったなら、良い影響を受けるのも、また……。
「いいんです。父上には一度も褒められなかったけど、父上が私のことを見捨てるのなら、こっちが見捨ててもいいと思えます。今でも自分の顔は自分ではあまり好きではないけど、それでも、少しずつ自分を好きになりたい。殿下のように…。殿下と一緒に生きていくことができれば、そうなれる気がするのです。」
この言葉に感激した私は、シャドーの手をとって握りしめた。
母上は淑女を置き去りにして号泣しながら、『合格よ!』とでも言わんばかりに親指を立てて。
師匠は師匠で、私とシャドーが結婚することを報告すればとても慌てていた。
やっぱり『虐待』をしてしまっていることに気付いていなかったみたい。
がっくりと肩を落としていた。
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こうしててんやわんやでシャドーと結婚して…。
初夜!!!!
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なん……だ…か……嫌な予感………が…。
「セイ♡」
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鎖骨がエロっ!
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「もう妄想なんかしなくていいね。僕はいつでもオッケーだから。」
「うん!」
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「もちろん!!」
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