真面目な近衛騎士は借金返済のために雄っぱぶ嬢になりました。

番外編

ジェームズとスティーブの結婚

今日の晴れの日。
気分は爽快で、夢と希望に満ちあふれている。

今日は俺とスティーブの結婚式。

オリバーはドライを従え、アバッキオも隊長とともに。
リンクレッドも彼氏と子どもたちを連れて駆けつけてくれた。

そして別室からは、ダージ王太子殿下とオランジェ妃が見守っている。



俺は緑色のタキシードを着て、祭壇の前でスティーブを待つ。

親族も参列しているけど、あの父は呼ばなかった。


何もない丘だけど、釣り堀を作ってやったから、時間も忘れて遊んでいるといい。
性欲の強い男だが、パイプカットだけだから、相手もいないのに持て余していることだろう。
釣りや庭仕事で誤魔化しても耐えられないはずだ。
そもそも華やかな場に出ることが大好きで、釣りや庭仕事などは、どちらかといえば苦痛の筈。
せいぜい苦しめばいい。
小遣いを早々に使い込んで、苦しむ姿が目に浮かぶ。
遊びに飢えているはずだから、新しい遊びだと言いはって、今度、石でも積ませてみよう。
出来上がりかけたら、使用人に壊させるんだ。


今日までの間、スティーブの衣装は秘密にすると言われ、私は見ていない。

お母さまたちとスティーブの秘密らしい。


教会のドアが開き、パイプオルガンの音楽が響く。


黒のタキシードに黒のドレスシャツ。
宝飾品は黒真珠。


俺のスティーブは、俺の色を纏って現れた。