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番外編
四葉の花嫁6
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むさくるしい体格の良い男二人。
だけど、戦場は欲を掻き立てる。
騎士同士でその場限りの恋人を作る人たちも多い。
今夜も同じテントで欲を高め合っているに違いない。
そして次の朝、ワタシに回復魔法を頼むのだ。
クローバー様はお優しいから、もしかしたらワタシのことを生涯大事にしようとしてくれるかもしれない。
だけど、きっとこれはつり橋効果。
戦場という特殊な環境が起こさせる錯覚。
ここにいる間だけでもいい。
いずれクローバー様は近衛隊に異動することになっている。
騎士団にいる間だけ―――――。
その間だけの恋人でも構わない。
彼が近衛隊に異動するときは、私も騎士団を辞めて姿を消そう。
そして二度と彼の前には現れない。
「むさくるしくて…すみません。」
「アバッキオは可愛いし綺麗だよ。」
「そんな…麗しいクローバー様に比べれば…。」
「男同士はどこを使うか知ってる?」
「後ろの穴……ですよ。」
「………アバッキオは経験ある?」
ワタシが知っていたからだろうか?不機嫌そうに眉を顰める。
「……ありません。」
関心はありましたし、いつでもあなたに抱かれる妄想をしていましたけど。
「よかった。君に元彼がいたら嫉妬でどうにかなりそうだった。」
優しくするからびっくりしないでね、と太い指が一本ワタシのソコに触れる。
しわを撫でるように触れられたあとは、先が中に沈もうとしていた。
「ま、待ってっ……。」
逞しい腕を掴む。
「アバッキオ、大丈夫。ゆっくりするから。」
「そ、そうじゃなくって。汚いから先に浄化を…。」
回復魔術師でよかった。
浄化のスキルを発動して、ナカを綺麗にする。
「だ、だいじょうぶ、ですっ。」
恥ずかしくて顔が見れないから、腕を回して縋りついた。
初めての体を開かれて、何度も精を受け止めた。
受け止めた精を熟せない体が悲しかった。
ワタシたちは恋人だったけれど、ワタシは彼の前から逃げた。
それがもう遠い日の、若き頃の話。
だけど、戦場は欲を掻き立てる。
騎士同士でその場限りの恋人を作る人たちも多い。
今夜も同じテントで欲を高め合っているに違いない。
そして次の朝、ワタシに回復魔法を頼むのだ。
クローバー様はお優しいから、もしかしたらワタシのことを生涯大事にしようとしてくれるかもしれない。
だけど、きっとこれはつり橋効果。
戦場という特殊な環境が起こさせる錯覚。
ここにいる間だけでもいい。
いずれクローバー様は近衛隊に異動することになっている。
騎士団にいる間だけ―――――。
その間だけの恋人でも構わない。
彼が近衛隊に異動するときは、私も騎士団を辞めて姿を消そう。
そして二度と彼の前には現れない。
「むさくるしくて…すみません。」
「アバッキオは可愛いし綺麗だよ。」
「そんな…麗しいクローバー様に比べれば…。」
「男同士はどこを使うか知ってる?」
「後ろの穴……ですよ。」
「………アバッキオは経験ある?」
ワタシが知っていたからだろうか?不機嫌そうに眉を顰める。
「……ありません。」
関心はありましたし、いつでもあなたに抱かれる妄想をしていましたけど。
「よかった。君に元彼がいたら嫉妬でどうにかなりそうだった。」
優しくするからびっくりしないでね、と太い指が一本ワタシのソコに触れる。
しわを撫でるように触れられたあとは、先が中に沈もうとしていた。
「ま、待ってっ……。」
逞しい腕を掴む。
「アバッキオ、大丈夫。ゆっくりするから。」
「そ、そうじゃなくって。汚いから先に浄化を…。」
回復魔術師でよかった。
浄化のスキルを発動して、ナカを綺麗にする。
「だ、だいじょうぶ、ですっ。」
恥ずかしくて顔が見れないから、腕を回して縋りついた。
初めての体を開かれて、何度も精を受け止めた。
受け止めた精を熟せない体が悲しかった。
ワタシたちは恋人だったけれど、ワタシは彼の前から逃げた。
それがもう遠い日の、若き頃の話。
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