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閑話 妻と旦那様と花嫁ちゃん
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「きゃあん。わたくし、こういうドレスもいいわね!」
真っ赤な髪のレディは、金髪碧眼の美少年を横に、目の前に並んだドレスにうっとりする。
「カレン、若返っても君の戸籍は50代なんだからあ。若すぎない?」
「いいじゃない!今のドレスって可愛らしいんだもの!それに、無駄遣いにならないわよ?レンジュとシェアできるし。組み合わせがある程度利くように選べば、ちがう衣装に見えちゃうんだから。ほら、あなたも選んで?シェン様とシェンちゃんのお洋服!」
真っ白の髪の白狐の半身半獣の神様と、同じ姿の小さな男の赤ちゃん。
オレンジを挟んで反対側の隣に腰掛けた神様は、ニコニコと様子を見守る。
シェンよりもむしろ、レンジュやオレンの方がハラハラと見ているくらいで。
「いやぁ、ペコー伯爵領は景気が良いですなあ。金は出るし、領主さまはやり手だし、弟君は王太子殿下の御妃でしょう!ウーロン国との交易の窓口になりますし、ますます栄えますよ!私も腕が鳴ります!」
呼びつけた商人は、領地の商人だが、ほっくほく顔だ。
「いやぁ可愛いのぅ。オレンジもういやつじゃが、オレンジの妻ごも可愛いのぅ。」
「シェン~、カレンはいい人だけどカレンに手を出したらだめぇ。カレンはオレンジの奥さんなのっ。めっ。」
「あぅー。うー!」
「ああ、シェンちゃん、しっぽかみかみ、だめっ。お毛けがおくちにはいるでしょ。ぺ、して。ぺっ。」
「毛?」
「いえ、なんでもありませんわっ!(あなたっ、他の人にはシェン様やシェンちゃんの狐の耳と尾は見えていないんですから、発言には気を付けて!)」
シェン様のカッコイイお洋服やシェンちゃんのかわいいお洋服を始め、お買い物を終えて、商人が帰ると、お着換えタイム!
小さな子ぎつねにみんなデレデレだ。
水色のロンパースの背中には天使の羽!
「でもシェン様とシェンちゃんってなんで同じ名前なの?呼びにくいわ。」
「それは、シェンちゃんが次の神様になるからなんだって。」
「そうだぞ。そもそもシェン、というのは神という字の読み方だからな。我は、前回の花嫁であるウーロンの王女と先代の子になる。神になる次代の子は1人で、それ以外は人間として生まれるから、今のあちらの帝は我の兄弟の血筋だな。ウーロンとペコーで我を奉っておるでの、血が近くなりすぎぬよう、交代で花嫁をだしておったから、今回はペコー家だったのじゃ。」
「ということは、先々代の子の血筋は我々ということなんですね。」
「あ、また尻尾はむはむ。だめですよ。」
口に指を入れて、尻尾をどかすと、ふわぁあ、と赤子が泣いた。
「ねえあなた、口がむずがゆいのではないの?お口を見せてごらんなさい。」
夫から奪って口の中を覗き込めば、小さな白いものが見えている。
「うぁー。」
「やっぱりそうだわ。歯が生えてきてる。人間じゃないから成長が早いのね。誰か、歯固めを持って来て頂戴。まだとっておいていたと思うわ。」
貧乏性っていやねぇ、と侍女が持って来た魚の形の歯固めを渡すと、赤子は尻尾をばたばたさせて、喜んで噛んだ。
「「おおおーーー。」」
「こうみえても、2男1女の母親ですからね。これからオレンが結婚して赤ちゃんが生まれても、レンジュが赤ちゃんを産んでも、オランジュが産んでも…。私が助けてあげますよ。若い体ですしね。」
「ありがと、カレン。だいすき!」
「我も大好き!」
複雑な家庭だけど、まあいいか…と思うオレンとレンジュなのである。
真っ赤な髪のレディは、金髪碧眼の美少年を横に、目の前に並んだドレスにうっとりする。
「カレン、若返っても君の戸籍は50代なんだからあ。若すぎない?」
「いいじゃない!今のドレスって可愛らしいんだもの!それに、無駄遣いにならないわよ?レンジュとシェアできるし。組み合わせがある程度利くように選べば、ちがう衣装に見えちゃうんだから。ほら、あなたも選んで?シェン様とシェンちゃんのお洋服!」
真っ白の髪の白狐の半身半獣の神様と、同じ姿の小さな男の赤ちゃん。
オレンジを挟んで反対側の隣に腰掛けた神様は、ニコニコと様子を見守る。
シェンよりもむしろ、レンジュやオレンの方がハラハラと見ているくらいで。
「いやぁ、ペコー伯爵領は景気が良いですなあ。金は出るし、領主さまはやり手だし、弟君は王太子殿下の御妃でしょう!ウーロン国との交易の窓口になりますし、ますます栄えますよ!私も腕が鳴ります!」
呼びつけた商人は、領地の商人だが、ほっくほく顔だ。
「いやぁ可愛いのぅ。オレンジもういやつじゃが、オレンジの妻ごも可愛いのぅ。」
「シェン~、カレンはいい人だけどカレンに手を出したらだめぇ。カレンはオレンジの奥さんなのっ。めっ。」
「あぅー。うー!」
「ああ、シェンちゃん、しっぽかみかみ、だめっ。お毛けがおくちにはいるでしょ。ぺ、して。ぺっ。」
「毛?」
「いえ、なんでもありませんわっ!(あなたっ、他の人にはシェン様やシェンちゃんの狐の耳と尾は見えていないんですから、発言には気を付けて!)」
シェン様のカッコイイお洋服やシェンちゃんのかわいいお洋服を始め、お買い物を終えて、商人が帰ると、お着換えタイム!
小さな子ぎつねにみんなデレデレだ。
水色のロンパースの背中には天使の羽!
「でもシェン様とシェンちゃんってなんで同じ名前なの?呼びにくいわ。」
「それは、シェンちゃんが次の神様になるからなんだって。」
「そうだぞ。そもそもシェン、というのは神という字の読み方だからな。我は、前回の花嫁であるウーロンの王女と先代の子になる。神になる次代の子は1人で、それ以外は人間として生まれるから、今のあちらの帝は我の兄弟の血筋だな。ウーロンとペコーで我を奉っておるでの、血が近くなりすぎぬよう、交代で花嫁をだしておったから、今回はペコー家だったのじゃ。」
「ということは、先々代の子の血筋は我々ということなんですね。」
「あ、また尻尾はむはむ。だめですよ。」
口に指を入れて、尻尾をどかすと、ふわぁあ、と赤子が泣いた。
「ねえあなた、口がむずがゆいのではないの?お口を見せてごらんなさい。」
夫から奪って口の中を覗き込めば、小さな白いものが見えている。
「うぁー。」
「やっぱりそうだわ。歯が生えてきてる。人間じゃないから成長が早いのね。誰か、歯固めを持って来て頂戴。まだとっておいていたと思うわ。」
貧乏性っていやねぇ、と侍女が持って来た魚の形の歯固めを渡すと、赤子は尻尾をばたばたさせて、喜んで噛んだ。
「「おおおーーー。」」
「こうみえても、2男1女の母親ですからね。これからオレンが結婚して赤ちゃんが生まれても、レンジュが赤ちゃんを産んでも、オランジュが産んでも…。私が助けてあげますよ。若い体ですしね。」
「ありがと、カレン。だいすき!」
「我も大好き!」
複雑な家庭だけど、まあいいか…と思うオレンとレンジュなのである。
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