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閑話 とある日の前伯爵
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私の名前はオレンジ=ペコー。
長男に爵位を譲ったので、前伯爵になる。
お優しくもお可愛らしいセイ殿下から、領地の山に金脈が眠っているかもしれないと聞いた私は、鉱山夫を雇って山に入った。
だが金脈は見つからず、借金だけ残ってしまった。
セイ殿下が嘘をいうわけがない!
領地のために金脈を探したのに、このままでは終われない!
金さえ見つかれば、借金だってどうにかなる。
早く見つけて、帰らなきゃ……。
屋敷を飛び出して数日、一人で山を掘り続け………。
私の水と食糧は底をついていた。
「み…………みず………。」
そこで私の意識は途切れた。
あ、あたたかい。
み、みず。
口に流される、水。
甘い。
「おきたか?我が花嫁。」
ゆっくり瞼を開けると、目の前には2メートルはあるのでは?という長身の青年。
肌は白く、髪も白い。絹糸のようだ。
私だって美形と持て囃された方だが、次元が違う。
「はなよ、め?」
「ああ、花嫁だ。なんて可愛らしいんだ。目が覚めてよかった!」
「あっ……助けていただき、ありがとうございます。でも花嫁というのは?」
「我は神だ。ここは聖域。我はこの100年、花嫁が来るのを待っていたのだぞっ。」
「たいへん申し訳ないのですが、私は花嫁ではなく………、金脈を探しに来たのです。」
「金がほしいならいくらでもやるぞ?だが、お前は確かに花嫁だ。ペコー家の者だろう?清々しいいい匂いがする。」
「金をわけていただけるなら、花嫁になりますけど、私みたいなオジサンでいいのでしょうか?」
「気になるなら若返らせる。」
「男では子も孕めませんが。」
「男に孕む力を与えるモノがあるから構わない。」
うーん、わかった!
なるようになあれ!
「じゃあ、あなたの花嫁になりますっ。でも、実家に金を届けたいし、里帰りしてもいいですか?」
「我の子を産んだらな?」
えーっ、と思ったけど帰り道もわからないので従うことにした。
思ったより早く子が産まれたけど、突然神様を連れて行ったらビックリさせちゃうから、ウーロンのお姫様が国に連れて行ってくれることになったのだ。
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セイ殿下が嘘をいうわけがない!
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金さえ見つかれば、借金だってどうにかなる。
早く見つけて、帰らなきゃ……。
屋敷を飛び出して数日、一人で山を掘り続け………。
私の水と食糧は底をついていた。
「み…………みず………。」
そこで私の意識は途切れた。
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甘い。
「おきたか?我が花嫁。」
ゆっくり瞼を開けると、目の前には2メートルはあるのでは?という長身の青年。
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「はなよ、め?」
「ああ、花嫁だ。なんて可愛らしいんだ。目が覚めてよかった!」
「あっ……助けていただき、ありがとうございます。でも花嫁というのは?」
「我は神だ。ここは聖域。我はこの100年、花嫁が来るのを待っていたのだぞっ。」
「たいへん申し訳ないのですが、私は花嫁ではなく………、金脈を探しに来たのです。」
「金がほしいならいくらでもやるぞ?だが、お前は確かに花嫁だ。ペコー家の者だろう?清々しいいい匂いがする。」
「金をわけていただけるなら、花嫁になりますけど、私みたいなオジサンでいいのでしょうか?」
「気になるなら若返らせる。」
「男では子も孕めませんが。」
「男に孕む力を与えるモノがあるから構わない。」
うーん、わかった!
なるようになあれ!
「じゃあ、あなたの花嫁になりますっ。でも、実家に金を届けたいし、里帰りしてもいいですか?」
「我の子を産んだらな?」
えーっ、と思ったけど帰り道もわからないので従うことにした。
思ったより早く子が産まれたけど、突然神様を連れて行ったらビックリさせちゃうから、ウーロンのお姫様が国に連れて行ってくれることになったのだ。
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