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横恋慕
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「もう、あなたには期待していないわ。」
短い手紙で、共犯者は私を捨てた。
確かに私が手をださなくても、ファーメントは衛兵に暗示をかけて、すんなりとパーティーに侵入できてしまう。
私など必要ない。
ペコー家を堕とせなかった役立たず。
そう、罵っているんだろう。
だけどね、意外とオランジェの兄は切れ者だよ?
どんなに美味い話を入れても、「ふーん」「すごーい」「そうなんですね」から、「うちにはできないなぁ」で終わるんだ。
そのくせ、あの妹が見つけた川の中の金を集めて、小さな加工品を始めた。
風光明媚な環境を生かして、砂金採りツアーなんかも始めちゃって。
どんどん領地を立て直してるんだから…!
私みたいな出来損ないの王子、誰も期待してくれない。
父上のような王様になりたかった。
ちがうな。
尊敬されたかったんだ、私は。
ちらっと窓の外を見下ろすと、庭園で兄上がオランジェと寛いでいる。
オランジェは近衛騎士の隊服を着ているから、仕事中だろう。
「………あんなに可愛らしく笑っちゃって。」
ぎゅっと拳を握る。
男の妃でいいのなら、私の妃になればいいのに。
どうせ、兄上は女の正妃を娶らなければならないんだ。
兄上が女を抱くのを、その子を愛するのを、間近で見ていて気が狂わないでいられる?
嫉妬くらいするでしょう?
私ならそんな想いさせないのに。
兄上、兄上は王様になるんだから。
オランジェは私に譲って。
オランジェ。
私を見て。
私だって、好きなんだ。
君の家を破滅させようとしたのに。
酷いよね。
だからこれは罰なのかな。
どうしよう。
たまらなく君が欲しいんだ。
ねえ、兄上の体はイイ?
私だって――――――――――。
「殿下、あの。気のせいかもしれないんですけど、最近一人でいると視線を感じるんです。」
「ああ、君につけた影かな?」
「影!?私にですか!」
「視線だけじゃないでしょう、なにかあった?」
「その……、パンツがなくなってて…。」
「下着か。古かったの?」
「そんな!侍女の方に処分されるほどボロボロではないですっ。むしろお気に入りで…。」
「お気に入り?」
「殿下の、瞳の色の、パンツだったから…。」
殿下はにんまりとほほ笑むと、何故か上をみあげた。
短い手紙で、共犯者は私を捨てた。
確かに私が手をださなくても、ファーメントは衛兵に暗示をかけて、すんなりとパーティーに侵入できてしまう。
私など必要ない。
ペコー家を堕とせなかった役立たず。
そう、罵っているんだろう。
だけどね、意外とオランジェの兄は切れ者だよ?
どんなに美味い話を入れても、「ふーん」「すごーい」「そうなんですね」から、「うちにはできないなぁ」で終わるんだ。
そのくせ、あの妹が見つけた川の中の金を集めて、小さな加工品を始めた。
風光明媚な環境を生かして、砂金採りツアーなんかも始めちゃって。
どんどん領地を立て直してるんだから…!
私みたいな出来損ないの王子、誰も期待してくれない。
父上のような王様になりたかった。
ちがうな。
尊敬されたかったんだ、私は。
ちらっと窓の外を見下ろすと、庭園で兄上がオランジェと寛いでいる。
オランジェは近衛騎士の隊服を着ているから、仕事中だろう。
「………あんなに可愛らしく笑っちゃって。」
ぎゅっと拳を握る。
男の妃でいいのなら、私の妃になればいいのに。
どうせ、兄上は女の正妃を娶らなければならないんだ。
兄上が女を抱くのを、その子を愛するのを、間近で見ていて気が狂わないでいられる?
嫉妬くらいするでしょう?
私ならそんな想いさせないのに。
兄上、兄上は王様になるんだから。
オランジェは私に譲って。
オランジェ。
私を見て。
私だって、好きなんだ。
君の家を破滅させようとしたのに。
酷いよね。
だからこれは罰なのかな。
どうしよう。
たまらなく君が欲しいんだ。
ねえ、兄上の体はイイ?
私だって――――――――――。
「殿下、あの。気のせいかもしれないんですけど、最近一人でいると視線を感じるんです。」
「ああ、君につけた影かな?」
「影!?私にですか!」
「視線だけじゃないでしょう、なにかあった?」
「その……、パンツがなくなってて…。」
「下着か。古かったの?」
「そんな!侍女の方に処分されるほどボロボロではないですっ。むしろお気に入りで…。」
「お気に入り?」
「殿下の、瞳の色の、パンツだったから…。」
殿下はにんまりとほほ笑むと、何故か上をみあげた。
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