3 / 89
閑話 源氏名はみかんちゃんです。
しおりを挟む
「あらやだあ、イケメンねぇ!」
ジェームズの紹介で入店することにしたのは、王都の歓楽街にある『雄っぱぶ』、『秘密の薔薇』。
夜のバイトで私が求める金額を稼げて合法的なところとなれば、国の認可を受けている風俗しかなく。
かつ貞操の心配がないところで………となると、酒の相手をするところか最後まではしないところ。
本当ならばホストにでもなればよかったのだろうが、顔を隠せない職種で身バレの恐れがあり、そもそも私には酒の席での気の利いた会話など無理ッ!
…………雄っパブは仮面舞踏会のようにキャストが仮面を被るらしい。
しかも、されるのは胸を弄られるだけ!
男の胸なんか何が楽しいのか正直わからんが、それでお金がもらえるのならば、胸くらいなら耐えられる!
そんなこんなでドアを開けた先に待っていたオーナーは、筋骨隆々とした長身の美丈夫なおじ様だったのだが、なぜか話し言葉は女性だった。
手持ちの衣類から、平凡な生成りのシャツとブラウンのスラックスに着替えてきたから貴族には見えない、だろう。髪もおろしたし、一見して私が近衛騎士副隊長のオランジェ=ペコーだとは誰も思うまい!!!
「名前はオレンジです。年齢は…二十歳になったばかりですっ!入店するからには、精いっぱい務めさせていただきますっ。よろしくお願いいたします!」
初対面、上司に礼儀正しく!
背筋をピシッと、手を太ももにつけて、頭を下げる。
「………あ、まじめねぇ。(この子って絶対貴族で騎士の子よね。一体何があったら雄っパブ嬢になろうなんてことになるのかしら。まあ、詮索はしないでおきましょ。この世界、みんな脛に傷があるんだもの。)よろしくね。それじゃあ、この服に着替えてきてくれる?」
「はっ!」
ピシッと敬礼して、私はドレッサールームに向かう。
(………正体を隠そうとしているんだろうけど、振る舞いでバレバレだって教えてあげたらいいのかしら。)
「おっ、おーなあぁあ!!こ、このパンツ、ひもじゃないですか⁉」
薄手の白シャツ、スラックスも白で生地が薄い。
インナーはなし。
そしてパンツが、紐!!
お尻が紐!
「ちゃんと履き替えなさい、汚れちゃうんだから。」
「オーナー、このシャツ、乳首が透けてるしボタンが全部とれているようなのですが…。」
「不良品じゃないわよ。そういうお店だもの。」
「……わかりましたっ。」
着替えて出てきたものの…。恥ずかしい。
でも、他のキャストの人たちも同じ格好だし…。
「今日から新人が入ります。源氏名はみかんちゃんよ。色々教えてあげてね。」
オーナーは他のキャストの人たちを集めて私を紹介してくれた。
オレンジだから、源氏名はみかんらしい。
「はーい!僕はイチゴ♡よろしくね。」
「俺はキウイだ。」
「俺はマンゴー、マンゴーって感じで巨乳だろ?」
イチゴは小柄でピンク頭の可愛い男の子。一応成人はしているらしい。
キウイはスレンダーな美形の緑の髪の人。
マンゴーはマッチョな金髪で、29歳。一番のお兄さん。
みんなそれぞれお金に苦労しているみたい。
がんばろう!
ジェームズの紹介で入店することにしたのは、王都の歓楽街にある『雄っぱぶ』、『秘密の薔薇』。
夜のバイトで私が求める金額を稼げて合法的なところとなれば、国の認可を受けている風俗しかなく。
かつ貞操の心配がないところで………となると、酒の相手をするところか最後まではしないところ。
本当ならばホストにでもなればよかったのだろうが、顔を隠せない職種で身バレの恐れがあり、そもそも私には酒の席での気の利いた会話など無理ッ!
…………雄っパブは仮面舞踏会のようにキャストが仮面を被るらしい。
しかも、されるのは胸を弄られるだけ!
男の胸なんか何が楽しいのか正直わからんが、それでお金がもらえるのならば、胸くらいなら耐えられる!
そんなこんなでドアを開けた先に待っていたオーナーは、筋骨隆々とした長身の美丈夫なおじ様だったのだが、なぜか話し言葉は女性だった。
手持ちの衣類から、平凡な生成りのシャツとブラウンのスラックスに着替えてきたから貴族には見えない、だろう。髪もおろしたし、一見して私が近衛騎士副隊長のオランジェ=ペコーだとは誰も思うまい!!!
「名前はオレンジです。年齢は…二十歳になったばかりですっ!入店するからには、精いっぱい務めさせていただきますっ。よろしくお願いいたします!」
初対面、上司に礼儀正しく!
背筋をピシッと、手を太ももにつけて、頭を下げる。
「………あ、まじめねぇ。(この子って絶対貴族で騎士の子よね。一体何があったら雄っパブ嬢になろうなんてことになるのかしら。まあ、詮索はしないでおきましょ。この世界、みんな脛に傷があるんだもの。)よろしくね。それじゃあ、この服に着替えてきてくれる?」
「はっ!」
ピシッと敬礼して、私はドレッサールームに向かう。
(………正体を隠そうとしているんだろうけど、振る舞いでバレバレだって教えてあげたらいいのかしら。)
「おっ、おーなあぁあ!!こ、このパンツ、ひもじゃないですか⁉」
薄手の白シャツ、スラックスも白で生地が薄い。
インナーはなし。
そしてパンツが、紐!!
お尻が紐!
「ちゃんと履き替えなさい、汚れちゃうんだから。」
「オーナー、このシャツ、乳首が透けてるしボタンが全部とれているようなのですが…。」
「不良品じゃないわよ。そういうお店だもの。」
「……わかりましたっ。」
着替えて出てきたものの…。恥ずかしい。
でも、他のキャストの人たちも同じ格好だし…。
「今日から新人が入ります。源氏名はみかんちゃんよ。色々教えてあげてね。」
オーナーは他のキャストの人たちを集めて私を紹介してくれた。
オレンジだから、源氏名はみかんらしい。
「はーい!僕はイチゴ♡よろしくね。」
「俺はキウイだ。」
「俺はマンゴー、マンゴーって感じで巨乳だろ?」
イチゴは小柄でピンク頭の可愛い男の子。一応成人はしているらしい。
キウイはスレンダーな美形の緑の髪の人。
マンゴーはマッチョな金髪で、29歳。一番のお兄さん。
みんなそれぞれお金に苦労しているみたい。
がんばろう!
81
お気に入りに追加
821
あなたにおすすめの小説
兄上の五番目の花嫁に選ばれたので尻を差し出します
月歌(ツキウタ)
BL
今日は魔王である兄上が、花嫁たちを選ぶ日。魔樹の華鏡に次々と美しい女性が映し出される。選ばれたのは五人。だけど、そのなかに僕の姿があるのだけれど・・何事?
☆表紙絵
AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。
【完結】兄が俺の部屋で角オナしてた件
百日紅
BL
実兄への許されない思いを抑えつけながら生きていた志島渓。しかし、ある日自分の部屋で、自分の服を嗅ぎながら自慰にふける兄の姿を目にしてしまいーー。
※全話ほぼえっちしてます
叔父と双子の兄二人に溺愛飼育
ミネ
BL
(叔父+双子の兄2人)×少年
京は中学3年生。6つ歳上の双子の兄の凱にいちゃんと嶺にいちゃんと三人暮し。えっちで平穏な生活が、海外で仕事をしていた五色叔父さんが帰ってきてから一変して‥。
愛されなかった俺の転生先は激重執着ヤンデレ兄達のもと
糖 溺病
BL
目が覚めると、そこは異世界。
前世で何度も夢に見た異世界生活、今度こそエンジョイしてみせる!ってあれ?なんか俺、転生早々監禁されてね!?
「俺は異世界でエンジョイライフを送るんだぁー!」
激重執着ヤンデレ兄達にトロトロのベタベタに溺愛されるファンタジー物語。
注※微エロ、エロエロ
・初めはそんなエロくないです。
・初心者注意
・ちょいちょい細かな訂正入ります。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
悪役の弟に転生した僕はフラグをへし折る為に頑張ったけど監禁エンドにたどり着いた
霧乃ふー 短編
BL
「シーア兄さまぁ♡だいすきぃ♡ぎゅってして♡♡」
絶賛誘拐され、目隠しされながら無理矢理に誘拐犯にヤられている真っ最中の僕。
僕を唯一家族として扱ってくれる大好きなシーア兄様も助けに来てはくれないらしい。
だから、僕は思ったのだ。
僕を犯している誘拐犯をシーア兄様だと思いこめばいいと。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
R18、最初から終わってるオレとヤンデレ兄弟
あおい夜
BL
注意!
エロです!
男同士のエロです!
主人公は『一応』転生者ですが、ヤバい時に記憶を思い出します。
容赦なく、エロです。
何故か完結してからもお気に入り登録してくれてる人が沢山いたので番外編も作りました。
良かったら読んで下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる