落ちこぼれ魔族の少女はやがて聖女になる

竜鳴躍

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最終章

私の力

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魔力も聖なる力も。
すべては、そのものの内在するエネルギー。意思の力である。

そして、その行使は、

イメージする力。

本来持つ力が使えないのは、常識や思い込みで、「できない」と思っているからにすぎない。

ならば、


使えるようになるのは、どういう切っ掛けか。


意識的な意識改革。自己啓発。
それから、追い込まれることーーーーーーーーー。



接近する、かつての自分と同じ力を持った者を感じて、魔女の目が見開き、振り向く。


忌々しそうに、呪詛を吐く。




「意思を持った、穢れのないまなざし。その顔。忌々しい…。あの弟そっくり…!!」



「なんで、なんでこんなことするのっ!?」

「は…! 私一人不幸になったままなんて許せないからよ!なんで、私一人が犠牲にならなければならなかったの?やりたいこともあったし、好きな人もいた…!!生きたまま300年も石にされていた私の絶望が分かる!?わからないでしょう!!私の犠牲で今のこの世界があるならば、私の勝手で壊してもいいと思わない?」


魔女の高笑いが響く。



「ルウ、ダメだ。彼女にはもう言葉は通じない!」


なんて…


複雑な感情になる。

昔の敵の国の人たちにも理由があった。
誰かを犠牲にすることは、やってはならないことだった。

もっと違う方法で、問題は解決できたかもしれない。

でも、それでも。

彼女たちを止めて、私たちは日常に戻るんだ!!!!!!!!


「現代の封印の聖女として、私が必ずあなたを止める!!」



◆◆◆



魔界の王城の総司令室に転移すると、そこは慌ただしく、リュウは声をはりあげた。

「これより、リュウ=シータ=ユプシロンがメフィストの代行として現場の総指揮に入る。各地ビジョン展開!」

空間一面に、各地の戦況が映し出される。

「南半球が手薄だ。第15師団、応援を!第10師団はそのまま北上!逃げ遅れた者がいれば、保護!!」

最後方には、国王と王妃が周りに守られて、うずくまっている。

「…はぁ、はあ。」
「うっ…、ダメ、もう…私たちの力ではもたない…!!!」

人間界を守るために、地上全体を覆って、張っていた結界は限界だった。


「結界がもうすぐ崩壊する…!なるべく上空で抑え込め!! 分析班!!データから有効な攻撃方法を検証!こちらが攻撃した瞬間のターゲットの状況を拡大できるか!」

優香と優希は邪魔にならないように、そっと状況を見ていた。


その時…



ピシピシッ!



音が鳴り、何かがはじけ飛んだ音が聞こえた。


「結界が!!!」


「ルウ!」

総司令室からリュウが叫ぶ。


「お前ならやれる!!結界を願え!!!!!!」

「私ならーーーやれるっ!!!!!!!!!!!」


聖なる光が強く輝き、結界が張りなおされる。



「!」

魔女がルウを睨んだ。


さぁ、決戦の時間だ!!!

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