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覚醒の気配
偽りのアルファ
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アルファさんじゃないって、それって、どういうことなの?
じゃあ目の前の人は誰?
昔、お兄ちゃんが紹介してくれた、ふわふわの赤毛の、太陽のようにあたたかい笑顔の人。
陽に焼けた肌に、ややたれ目のような、優しい炎色の瞳。
目の前の人と、全く同じ姿だったのに。
「お前はアンジェラだろ? アンジェラ=リブ=フレイム。アルの双子の妹の。」
妹!?? どっからどうみても男の人にしか見えないんですけど!
玉座の人はふっと笑うと、首元から何か無線機?のような機械を取り外し。
そして、玉座を降りてきた。
あれ?近くで見ると、思ったより小さい。
「さすがですね。リュウさん。お久しぶりです」
機械を取った声は、女性の声になっていた。
お兄ちゃんとアンジェラさんも仲良しなの?
そういうと、
アンジェラさんは、昔、婚約一歩手前までいったんですよ。親が一方的に進めただけですけどね、と笑っていた。
「アンジェラ、お前がアルファの身代わりをやっているってことは、アルファはやはり…。」
「お兄さまは、けして悪しきことはしておりませんわ。ですが、目撃者がおり、このままではと、私が代役をして噂をもみ消していたのです。」
「どういうことだ?」
「一週間前の地震で、南の遺跡が一部崩落したとの知らせを受け、考古学者でもある父が確認に出向くことになり、
ちょうどいいタイミングで帰郷した兄を護衛代わりに連れて行ったのが発端です。」
南の遺跡は、初代国王であるケイオスがこの地を収めていた時に、彼の一族が悪しきものを封印していた場所。
そこが崩落したのか…。
「結論から言うと、悪しきものが漏れ出してしまっています。」
「!!!!」
「邪気に触れて、最初の狂ったのは父の方。暴れて、周囲の土地に向けて火の矢を落とそうとしたのを、ギリギリ耐えていた兄が倒してしまったのです。結果はそうかもしれませんが、同行して帰ってきた騎士の話からするとそうです。正当防衛ですわ。」
「それでアルは…?」
「邪気の影響が深くなったのか、それでも抑え込もうとしたようです。遺跡の奥に引きこもってしまったと聞いています。」
(人を襲わないよう、自分で引きこもったのか…)
「今、兄がまだ少しでも正気を残しているのか、否かはわかりません。お願いです、ルウさん。」
えっ!?わたし??
「実は、邪気は魔力に反応して、強いものほど影響を受けやすいのです。あなたなら、中へ入っても影響はないと思います。どうか、兄の様子を確認してきてもらえないでしょうか。」
様子が分からないと、兄を救おうにもどうにも対策をたてられないのです、と申し訳なさそうに頭が揺れた。
どうしよう。
不謹慎だけど、うれしい。
わたし、はじめて役に立てるの?
「やります!!!」
二つ返事で引き受けた。
「中には入れないかもしれないが、俺も行くぞ」
「ええ、もちろんお願いします!」
こうして、私は初めて人の役に立つことをすることになった。
アルファさん、無事でいてね!
じゃあ目の前の人は誰?
昔、お兄ちゃんが紹介してくれた、ふわふわの赤毛の、太陽のようにあたたかい笑顔の人。
陽に焼けた肌に、ややたれ目のような、優しい炎色の瞳。
目の前の人と、全く同じ姿だったのに。
「お前はアンジェラだろ? アンジェラ=リブ=フレイム。アルの双子の妹の。」
妹!?? どっからどうみても男の人にしか見えないんですけど!
玉座の人はふっと笑うと、首元から何か無線機?のような機械を取り外し。
そして、玉座を降りてきた。
あれ?近くで見ると、思ったより小さい。
「さすがですね。リュウさん。お久しぶりです」
機械を取った声は、女性の声になっていた。
お兄ちゃんとアンジェラさんも仲良しなの?
そういうと、
アンジェラさんは、昔、婚約一歩手前までいったんですよ。親が一方的に進めただけですけどね、と笑っていた。
「アンジェラ、お前がアルファの身代わりをやっているってことは、アルファはやはり…。」
「お兄さまは、けして悪しきことはしておりませんわ。ですが、目撃者がおり、このままではと、私が代役をして噂をもみ消していたのです。」
「どういうことだ?」
「一週間前の地震で、南の遺跡が一部崩落したとの知らせを受け、考古学者でもある父が確認に出向くことになり、
ちょうどいいタイミングで帰郷した兄を護衛代わりに連れて行ったのが発端です。」
南の遺跡は、初代国王であるケイオスがこの地を収めていた時に、彼の一族が悪しきものを封印していた場所。
そこが崩落したのか…。
「結論から言うと、悪しきものが漏れ出してしまっています。」
「!!!!」
「邪気に触れて、最初の狂ったのは父の方。暴れて、周囲の土地に向けて火の矢を落とそうとしたのを、ギリギリ耐えていた兄が倒してしまったのです。結果はそうかもしれませんが、同行して帰ってきた騎士の話からするとそうです。正当防衛ですわ。」
「それでアルは…?」
「邪気の影響が深くなったのか、それでも抑え込もうとしたようです。遺跡の奥に引きこもってしまったと聞いています。」
(人を襲わないよう、自分で引きこもったのか…)
「今、兄がまだ少しでも正気を残しているのか、否かはわかりません。お願いです、ルウさん。」
えっ!?わたし??
「実は、邪気は魔力に反応して、強いものほど影響を受けやすいのです。あなたなら、中へ入っても影響はないと思います。どうか、兄の様子を確認してきてもらえないでしょうか。」
様子が分からないと、兄を救おうにもどうにも対策をたてられないのです、と申し訳なさそうに頭が揺れた。
どうしよう。
不謹慎だけど、うれしい。
わたし、はじめて役に立てるの?
「やります!!!」
二つ返事で引き受けた。
「中には入れないかもしれないが、俺も行くぞ」
「ええ、もちろんお願いします!」
こうして、私は初めて人の役に立つことをすることになった。
アルファさん、無事でいてね!
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