【完結】王子様たちに狙われています。本気出せばいつでも美しくなれるらしいですが、どうでもいいじゃないですか。

竜鳴躍

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急いで国へ

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「王国が心配だ。ここからスパイス王国はもう近い。急いで帰ろう。」


「お世話になった上、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。私は、国を整えるため、離れることができません。アレは、私の側近の海里を連れてスパイス王国に行ったようです。海里は、きっと今も望まない行為を強いられているでしょう。アレは、殺してかまいません。宜しくお願い致します。」


ミリーは、海里という男に自分を重ね、胸を痛めた。

「あなたの大事な方は、必ず助けます。」


「ありがとうございます。親友なのです。」


ブラックとミリーは、急ぎトウホウをたった。





「行ってしまわれましたね。」

「浅伸。」


「清聖さま、ミリー様のことがお好きだったのでは。」


「先に出逢いたかったが仕方ない。それに、恩人の妻だ。こういう時だし。だが、そうだな。落ち着いたら、気持ちだけでも伝えたいかもしれない。」


迷惑だろうから、言い方も考えるが。
きちんと振られよう。

前に進むために。


「まずは、国をもとに戻そう。私の生存、即位。税金の触れの撤回、それから追放された者をよびもどせ。」


「かしこまりました。」


清聖は、大事にならないことを願った。




国が清聖に取り返され、おじと母、一味が処分されたことを知らない黒闇は、着飾らせた海里を連れてパーティー会場に現れた。


第一王子夫婦は、王太子の方が妻らしい。
なかなか可愛らしい顔をしている王子だ。
だが、さすがに王太子に手は出せないな。

抱いている幼い王子は、母親に似て美しくなりそうだ。

食べ頃になったら近づいてみるか。



第二王子が入ってきた。
夫人は見事な銀髪で、たしかに女神のように美しい。

こんなに美しい人をこの王子は満足させられないのか。情けない奴。

私ならすぐに孕ませてやるものを。


見れば、他にも良さそうなのがいる。


夫人の兄弟の婚約者らしい。

王太子の護衛でもあるようだ。

パリッとした白い団服は、穢したくなる。



ふふふ………。

どの子からいこうかなあ。
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