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オラクル様の祝福

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『ふむ。あの子の心が満ちてきたか。ふんふん、なるほどね。どちらも選べず心が割れたか。このままではいずれ…。』

彼は大いに戸惑うかもしれない。


その時には、私が力になってやろう。



長い年月を生きたオラクルは、あの時授けた祝福が、いよいよ実を結ぶ頃合いになり、面白げに尾をはためかせた。



祝福で繋がり、ソルトと呼ばれたあの面白い子の気持ちは、自分のことのようにわかる。



丁度そのころ、嘘を言うはずもない二人が、揃って『自分が選ばれた』と主張したのを不思議に思ったホワイトは、アニス殿下とカモミール団長を屋敷に招いて、ソルトの様子を窺っていた。


「それでは、お父様、お母さま、お兄様たち、アニス様、カモミール団長。おやすみなさい。」


「ああ、おやすみ。」



清楚な水色のパジャマを着たソルトが一礼して、自室のベッドに向かった。


ホワイトは、ソルトが寝たであろうタイミングを計り、ブラックと両親と2人を伴って、そおっとソルトの寝室に入った。



おかしい。やはり、魔力を感じる。





「!!!!」



中に入って目を凝らすと、ソルトのベッドが淡く白く輝いていた。



「う、うぅ…。僕はどうしたら…。」


寝言とともに、ソルトの体から、光の人影が現れる。分裂するかのように、白い人影はやがてソルトになった。





「僕は、アニス様がすき。」


「僕は、団長がすき。」





アニスと団長が息をのんだ。


あれだ。私たちが夕べ会ったのは!
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