紫の魔女とたたかう赤い瞳は金の瞳の騎士にあう

竜鳴躍

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覚悟を決めよう

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なんていうことだ。彼は、聖騎士の力を失っている。きっと。

頼りになると思っていたのに…。

でも、きっと。一人でいるよりずっといい。

主従の契約はできたのだから、私のために手つだってもらおう。


前向きに思い直し、顔をあげると、目の痛みが治まったのか、ジョンが私を睨んでいた。


「お前、何者だ?俺に何をした?」


利用する。

でも、この男は信用ならないから、このまま少年だということにしよう。

女だとばれたらめんどくさそう。


「僕はエル。あなたの本当の名前は、たぶん、ジョージ=クルセイド。」


「は? 俺は捨て子だぞ?なんで俺の名前が分かる?」

「よく見て、僕の目も色が変わってるでしょう?」

「…それ、アルビノじゃなかったのか?」

赤い、ルビーのような目を見せる。

そしてーーーーーー

「!」


目の前で兎に変身して、また、少年の姿に戻って見せた。



「僕は赤の一族。あなたは金の一族。両方とも、たぶん最後の一人。あなたは、僕が生まれる前に、母親と二人行方不明になったと聞いていた。僕とあなたの血族の関係はね、主従関係なんだよ。遺伝子に刻まれてるんだ。」

「ーーーー信じられない話だが、信じるしかねえよな。」

「だから、あなたを雇用するよ。僕はお金があるから、ちゃんと依頼人になる。あなたは探偵なんでしょ?」


ふふっと笑って、妖しく誘う。



「何を俺にさせたい?」




「僕たちには共通の敵がいる。 紫の一族だ。やつらは、人を操る力がある。」

「お前が俺にしたみたいなやつか?」

「違う、あれは主従契約。だって、体は言うことをきかなくても、頭の中はそうじゃなかったでしょ? 紫の一族は、相手が誰でも、何人でも、本当に心の中から書き換えて操ってしまう。それで、僕らの一族はみな僕らを除いて、殺されてしまったんだよ。君が、孤児になったのも、そのせい。」

ジョンが息をのむ音が聞こえる。

きっと、頭の中はぐちゃぐちゃだろう。


「もう逃げるのはいやだ。なんでこんなふうに争っているのか謎を解いて、こちらから攻めたい。」




ーーーーーーだから、力を貸して?



脅迫のような、お願いをする。


あなたはYESしか言えないはずだ。


覚悟を決めよう?
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