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悪役令嬢はガリ勉伯爵令嬢がお好き
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私はミレニア。王太子の婚約者の公爵令嬢ーーーーとは仮の姿。
私こそが、王太子マクシミリアンだ。
婚約者と瓜二つだったのを活かして、学園ではお互いの立場を交換し、私は公爵令嬢として、向こうは王太子として過ごしている。
こうして立場を変えていると、お互いの敵もよくわかるし、違った視点から見てみると、見えなかったものも見えてくるというもの。
女性しか入れないサロンに入ってみれば、さすがに私のところへ集まってくる淑女たちは、立場があるのでそうではないが、女性同士もなかなか性に対してあけすけのようだ。
聞こえてくる会話に耳を澄ませると、
私は茄子とか
きゅうりとか言っている。
何を言ってるかと思えば
実は男性の…その……好きなサイズ?のことだったと気づいたときは、なんかもうここにいていいのか居たたまれない気持ちになったものだ。
あとは、在学中により条件の良い男性を捕まえようと、あの手この手で手管を考えたり、男性の前でだけ態度が違うのを目の当たりにすると、まあ、あれも彼女たちなりの処世術なのだろうが、引いてしまった。
そんな私だが、気になっている女性がいる。
それは、マリー=シード=カトレア伯爵令嬢だ。
茶色の髪に茶色の瞳。よくある色合いに、腰まで伸びたストレートの髪はのばしっぱなしで、我が道を行く感じ。
本が好きなようで、休み時間中もずっと勉強しているような彼女だが、TPOは心得ているらしく、一応、パーティ場にはドレスアップしてくる。
細身の体に手堅い流行の服を身に着けてくるが、あまり似合っていないせいか、凡庸に見えてしまう。
だが、間近で彼女をよく見ると、細身だが彼女のスタイルはけして悪いわけじゃないし、茶色の髪も綺麗にセットすれば名馬のように艶やかで、目鼻立ちも整っており、きちんとメイクをして、似合う装いをすれば、学園の中でもかなり美人の部類に入るだろうに。と思われた。
要は、彼女はほかの女性たちとは違うのだろう。
学園に男漁りではなく、純粋に勉学のために通っているのだ。
「話しかけてもよろしいかしら?」
「…どうぞ。」
話しかけられ慣れていないのだろう、きょとんとした顔をされた。
可愛い…。
「こんな難しい勉強をされているのですね。素晴らしいわ。…将来は勉学で身を立てようと?」
王妃教育で施されるような、領地経営や歴史学、算術等、ありとあらゆる学術書が机の上に散らかっている。
「…はい。私はこの調子ですから、良い伴侶は期待しないほうがいいと思っています。夫に期待しなくても、自分が何でもできればそれで領地は回るので…。」
「なるほど?」
「あの、私、変わり者だといわれてて…。 その、うれしいのですが、私などにお声をかけていただくとミレニア様まで…。」
「いいのよ。私はあなたが変わり者だとは思いません。あなたは真面目なのね。お友達になってくださらないかしら?」
私がそういうと、耳まで真っ赤にして、満面の笑顔でうなずいてくれた。
なんだ、もう、かわいいよーかわいいよーかわいいいよおおおおお!!!
彼女が地味にしているおかげで、だれも彼女の魅力には気づいていない。
学園を卒業したら、プロポーズするんだ。
それまで、友達として、うんと仲良くなっておこう。
彼女といると楽しい。
博学だから、会話が弾むし、私の施されている教育内容とも重複するから、価値観が同じなのがいい。
私は笑顔の裏で、父上と彼女の両親をどうやって抱き込むか、計算しているのだった。
私こそが、王太子マクシミリアンだ。
婚約者と瓜二つだったのを活かして、学園ではお互いの立場を交換し、私は公爵令嬢として、向こうは王太子として過ごしている。
こうして立場を変えていると、お互いの敵もよくわかるし、違った視点から見てみると、見えなかったものも見えてくるというもの。
女性しか入れないサロンに入ってみれば、さすがに私のところへ集まってくる淑女たちは、立場があるのでそうではないが、女性同士もなかなか性に対してあけすけのようだ。
聞こえてくる会話に耳を澄ませると、
私は茄子とか
きゅうりとか言っている。
何を言ってるかと思えば
実は男性の…その……好きなサイズ?のことだったと気づいたときは、なんかもうここにいていいのか居たたまれない気持ちになったものだ。
あとは、在学中により条件の良い男性を捕まえようと、あの手この手で手管を考えたり、男性の前でだけ態度が違うのを目の当たりにすると、まあ、あれも彼女たちなりの処世術なのだろうが、引いてしまった。
そんな私だが、気になっている女性がいる。
それは、マリー=シード=カトレア伯爵令嬢だ。
茶色の髪に茶色の瞳。よくある色合いに、腰まで伸びたストレートの髪はのばしっぱなしで、我が道を行く感じ。
本が好きなようで、休み時間中もずっと勉強しているような彼女だが、TPOは心得ているらしく、一応、パーティ場にはドレスアップしてくる。
細身の体に手堅い流行の服を身に着けてくるが、あまり似合っていないせいか、凡庸に見えてしまう。
だが、間近で彼女をよく見ると、細身だが彼女のスタイルはけして悪いわけじゃないし、茶色の髪も綺麗にセットすれば名馬のように艶やかで、目鼻立ちも整っており、きちんとメイクをして、似合う装いをすれば、学園の中でもかなり美人の部類に入るだろうに。と思われた。
要は、彼女はほかの女性たちとは違うのだろう。
学園に男漁りではなく、純粋に勉学のために通っているのだ。
「話しかけてもよろしいかしら?」
「…どうぞ。」
話しかけられ慣れていないのだろう、きょとんとした顔をされた。
可愛い…。
「こんな難しい勉強をされているのですね。素晴らしいわ。…将来は勉学で身を立てようと?」
王妃教育で施されるような、領地経営や歴史学、算術等、ありとあらゆる学術書が机の上に散らかっている。
「…はい。私はこの調子ですから、良い伴侶は期待しないほうがいいと思っています。夫に期待しなくても、自分が何でもできればそれで領地は回るので…。」
「なるほど?」
「あの、私、変わり者だといわれてて…。 その、うれしいのですが、私などにお声をかけていただくとミレニア様まで…。」
「いいのよ。私はあなたが変わり者だとは思いません。あなたは真面目なのね。お友達になってくださらないかしら?」
私がそういうと、耳まで真っ赤にして、満面の笑顔でうなずいてくれた。
なんだ、もう、かわいいよーかわいいよーかわいいいよおおおおお!!!
彼女が地味にしているおかげで、だれも彼女の魅力には気づいていない。
学園を卒業したら、プロポーズするんだ。
それまで、友達として、うんと仲良くなっておこう。
彼女といると楽しい。
博学だから、会話が弾むし、私の施されている教育内容とも重複するから、価値観が同じなのがいい。
私は笑顔の裏で、父上と彼女の両親をどうやって抱き込むか、計算しているのだった。
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