聖女の力を搾取される偽物の侯爵令息は本物でした。隠された王子と僕は幸せになります!もうお父様なんて知りません!

竜鳴躍

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幸せな雨

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6月に入り、リリーは18歳になった。

来月は結婚式。

ますますリリーは美しく、俺は過保護だ。


「リリー。今日は学園に新しく先生が来るようだよ。」

男ならば牽制せねば。



「本日から世界史の先生で新しい先生が入ります。先生、どうぞ。」





「!」



紹介された先生を見て、ガタッとヘルメスが立ち上がった。



この国のスーツを着ているけど、褐色の肌にこげ茶の髪、見事な緑色の目。






「グスタフ=サンです。よろしくお願いいたします。」

サン王国のグスタフ王子が、帝国の教員に?

確かに王族であればだれより世界史に詳しいわけだから、教員になれるだろうけど。









「せん、せいっ。どうして…っ。」



皆が帰った教室でヘルメスがグスタフ王子と話しているのを、見守る。



「王位継承権は放棄した。今の俺は、王族じゃない。まあ、適当な爵位はもらったから貴族ではあるが。」



話し方が流暢になっている。

きっと、勉強したんだろう。



「ヘルメスが好きだから。王族じゃないから、ヘルメスと結婚できる。俺が婿入りしても構わない。」




ああ。

この人は凄いな。


多分、サン王国は第三王子を手放しても、今後ますます発展するだろうアテンド商会とヘルメスという才能を手に入れることで手を打ったんだろうけど。


愛に生きるために、交渉してきたんだ。




「ばか…。ぼくが、だめっていったらどうするんですかぁ…。」




「君の性格上、かわいそうだなって思って折れてくれるんじゃないかって思った。」


「ずるい…。」








小柄なヘルメスがすっぽりとグスタフ王子の腕の中に包まれる。




よかったな、ヘルメス。


リリーもぐすぐすと泣いている。

ハンカチで顔を拭ってやった。








「生徒会、行こう。」

「うん。」

指を絡めて、恋人繋ぎ。


僕たちが来月結婚式をあげたら、そのブーケはヘルメスにあげられたらいいな。



リリーの提案に俺も同意した。



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