聖女の力を搾取される偽物の侯爵令息は本物でした。隠された王子と僕は幸せになります!もうお父様なんて知りません!

竜鳴躍

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新たなライバル?

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「リリー!!!!踊ろう!」


早く、早くリリーをこいつから引き離せば!

心が狭いと言われようがどうでもいいのだ!



俺は、リリーの手を取る。

ベリー王太子の口が、『さっさとキメないと、他に攫われるぞ』と言っていた。




始まった演奏にあわせて、手をとって軽く踊る。

リリーはキョトンとしていたが、すぐにほほ笑んでくれた。



「リリー、好きだ。愛してる。俺が18になるまで待ってくれ。そしたら結婚しよう!」

「うん、もちろん!」



危なくなってお尻に火がついた。

俺も大概ヘタレだと思う。

だけど、リリーがOKしてくれてほっとした。








「………彼は何かカン違いシタ?かな?」

隅に残されたグスタフ王子は、ヘルメスを見て肩をすくめた。


「私、アナタ。気になってる。まずはトモダチ、いい?」


「へ?」


ヘルメスは裏返った声で目を丸くした。






僕を?



異国の王子様が???




――――――嬉しいけど。





「あっ、あのっ。恐縮ですが、僕は男爵の子で。」


「知ってる。下級貴族だけど、アテンド商会。君、デザイナー。爵位関係ない、才能にホレタから。」



えっ…。


緑色の目が僕をまっすぐ見つめる。





でっ…。






でもっ…。


「…あり、がと、ございます。」



息が苦しい。





「でも、ぼく、王子様と結婚、できない。です。」






「大丈夫、しゃくい、キニシナイ。同性でも、コドモできる、デショ?君、カワイイ。会って、マスマス、ホシイ。」


胸がいたい。





「ぼく、きず。もの。だから…。処女、じゃ。ない」



ダンスの演奏に紛れて、僕の小さな声が王子に届く。



僕は、逃げるように会場を去った。
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