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閑話 僕だってオトナだもの
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ベリーお兄様の朝は早い。
早く体をもとに戻すため、痛みに耐えながら毎日リハビリに取り組んでいる。
聖女が癒してくれた機能は何も問題がなくて、モンスターの襲撃に紛れて狙撃され、破壊された脳は正常に機能している。
事件前の記憶も正確だし、復習のために訪れた家庭教師たちも涙を流して喜んだ。
一番喜んだのは、親友であるブライト騎士団長だろう。
「リリー様は今日から学園なんだろう?あれだけ美しい方だ、聖女だと明かさなくても爵位的にも問題ないし、きっとおモテになるだろうな。だから、焦っているんだろう?」
頬に切り傷のある逞しい美丈夫は、お兄様をからかった。
今日も勤務前にお兄様を見舞ってくれたらしい。
「……一番のライバルはチャーリーかな。1年以上、義理の兄弟としてずっとそばにいたんだ。母君が亡くなって、家が乗っ取られてからは、すぐそばでずっと守っていたという。だが、私だって負けてはならないからな。正々堂々、アタックあるのみさ。まずは、ダンスでエスコートするのはもちろん、最低限リリー様をお守りできるほどには戻さないとな。」
出会った順番にチャンスがあるわけじゃない。
リリー様はまだ誰のものでもないのだから、私にだってチャンスがあるはずだ!
と、お兄様は燃えている。
いっぱいお肉を食べて、ブライト様が持ってきてくださったバーベルなどのトレーニング用具で体を鍛えるお兄様。
すこしなよなよしてるかな?くらいには戻れたみたいだ。
歩くのもゆっくりならできるようになったみたい。
早い。
早すぎるけど、これが愛の力なのかもしれない。
因みに、お兄様には婚約者は元々いない。
僕の婚約者はね、一応中立派だったはずだったから、まんまと婚約者になっていたけどね。
お兄様は、全てが片付くまでフリーでいるつもりだったみたい。
だって、お母様みたいな不幸が考えられるからね。
まあ、お兄様がフリーだったせいで、僕は絶対に婚約しなきゃならなかったんだけど。
「お兄様、僕、リリー様達と行ってきますね。くれぐれも無理はなさらないでくださいね。」
「ああ、学園を案内してやってくれ。」
お兄様の部屋を出ると、スタンリーが布を持って待っていた。
そうそう、目隠ししないとね。
「スタンリーがつけて。」
髪をかき上げ、目隠しの布を通してもらう。
「この青い瞳が、隠されてしまうなんて勿体ないです。仕方ありませんが。」
「うふふ。僕の瞳はスタンリーだけを見つめているの。それでいいでしょう?」
「でっ……殿下!!?本当に私でいいんですか?爵位だって伯爵家だし、地味だし冴えない、男くさい騎士ですよ!?」
「いいの。僕は、真面目で真摯で、本当に僕を大切にしてくれるスタンリーと結婚するの!お父様も認めてらっしゃるんだから諦めて?」
「いや…でも…それは…殿下の視力が…。」
「関係ないよ!ねえ、スタンリーだけ僕の身の回りの世話で僕の恥ずかしいところ、全部見ているじゃない?今度、僕にスタンリーがおしっこするところ、見せてほしいなぁ。」
「えっ…!?」
「なんなら、もっとすごいことしてもいいよ!僕だってもう18歳なんだし、オトナなんだから!」
「殿下ぁ~~~~~!」
「フフ、チャーリーとリリーが待っている。行こうか。」
5つも年上なのだから、もうちょっと積極的になってくれてもいいのに。
視力も戻ったことだし、今度、押し倒してみよう。
早く体をもとに戻すため、痛みに耐えながら毎日リハビリに取り組んでいる。
聖女が癒してくれた機能は何も問題がなくて、モンスターの襲撃に紛れて狙撃され、破壊された脳は正常に機能している。
事件前の記憶も正確だし、復習のために訪れた家庭教師たちも涙を流して喜んだ。
一番喜んだのは、親友であるブライト騎士団長だろう。
「リリー様は今日から学園なんだろう?あれだけ美しい方だ、聖女だと明かさなくても爵位的にも問題ないし、きっとおモテになるだろうな。だから、焦っているんだろう?」
頬に切り傷のある逞しい美丈夫は、お兄様をからかった。
今日も勤務前にお兄様を見舞ってくれたらしい。
「……一番のライバルはチャーリーかな。1年以上、義理の兄弟としてずっとそばにいたんだ。母君が亡くなって、家が乗っ取られてからは、すぐそばでずっと守っていたという。だが、私だって負けてはならないからな。正々堂々、アタックあるのみさ。まずは、ダンスでエスコートするのはもちろん、最低限リリー様をお守りできるほどには戻さないとな。」
出会った順番にチャンスがあるわけじゃない。
リリー様はまだ誰のものでもないのだから、私にだってチャンスがあるはずだ!
と、お兄様は燃えている。
いっぱいお肉を食べて、ブライト様が持ってきてくださったバーベルなどのトレーニング用具で体を鍛えるお兄様。
すこしなよなよしてるかな?くらいには戻れたみたいだ。
歩くのもゆっくりならできるようになったみたい。
早い。
早すぎるけど、これが愛の力なのかもしれない。
因みに、お兄様には婚約者は元々いない。
僕の婚約者はね、一応中立派だったはずだったから、まんまと婚約者になっていたけどね。
お兄様は、全てが片付くまでフリーでいるつもりだったみたい。
だって、お母様みたいな不幸が考えられるからね。
まあ、お兄様がフリーだったせいで、僕は絶対に婚約しなきゃならなかったんだけど。
「お兄様、僕、リリー様達と行ってきますね。くれぐれも無理はなさらないでくださいね。」
「ああ、学園を案内してやってくれ。」
お兄様の部屋を出ると、スタンリーが布を持って待っていた。
そうそう、目隠ししないとね。
「スタンリーがつけて。」
髪をかき上げ、目隠しの布を通してもらう。
「この青い瞳が、隠されてしまうなんて勿体ないです。仕方ありませんが。」
「うふふ。僕の瞳はスタンリーだけを見つめているの。それでいいでしょう?」
「でっ……殿下!!?本当に私でいいんですか?爵位だって伯爵家だし、地味だし冴えない、男くさい騎士ですよ!?」
「いいの。僕は、真面目で真摯で、本当に僕を大切にしてくれるスタンリーと結婚するの!お父様も認めてらっしゃるんだから諦めて?」
「いや…でも…それは…殿下の視力が…。」
「関係ないよ!ねえ、スタンリーだけ僕の身の回りの世話で僕の恥ずかしいところ、全部見ているじゃない?今度、僕にスタンリーがおしっこするところ、見せてほしいなぁ。」
「えっ…!?」
「なんなら、もっとすごいことしてもいいよ!僕だってもう18歳なんだし、オトナなんだから!」
「殿下ぁ~~~~~!」
「フフ、チャーリーとリリーが待っている。行こうか。」
5つも年上なのだから、もうちょっと積極的になってくれてもいいのに。
視力も戻ったことだし、今度、押し倒してみよう。
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