人気俳優は表情筋が死んでいる人気声優の彼が好き

竜鳴躍

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仲直りクリスマス

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「兄さんどうしたの?最近死にそうだけど。」

「青空あ!最近、香月の様子がおかしいんだ!どうしよう、振られる?!」

「気にし過ぎじゃないの?俺、これからデートなんだ。自分で解決しなよ。」

「うう!」

最近、香月は俺と目を合わせてくれない。悲しい。




「あっ。」
青空が何かを思い出したように立ち止まった。

「そういえば、冬木さん。こないだデートしてる時に、駅前のゲームショップで見かけたよ。兄さんへのクリスマスプレゼント買ったぽかったから、気にしなくても大丈夫じゃないかな。じゃ、行ってきます。」


へ?


彼女とのデート中に?

見かけた??



絶対それだあ!
だってまだ、香月に弟を紹介してない!
あいつは、俺のコピーかってくらいそっくりなんだ!
俺を信じてたとしても疑って心配になっても仕方ないくらいには!


「待て、青空!」
青空を追いかける。






太陽が僕を裏切るはずない。
もし、別の人を好きになってしまったのなら、ちゃんと言ってくれると思う。

でも確かにあの顔も声も……!

信じてるのに、疑ってしまう。

後ろめたくて、最近、太陽を見られない。


「ああ………もぅ。」


ブブブ。

スマホのバイブ。

手に取ると、太陽からのライン。



開いて、涙が出る。




『俺の弟と弟の彼女。芸能人に興味ないサバサバのできた人で、たぶん将来義理の妹。』

ラインには、太陽と弟さんたちの写真。


「ああ~、僕のばか!!」





今日はクリスマス·イブ。

あいたい。


ドアを開くと太陽がいて。

胸にとびこんだ。

疑ってごめんなさい。

愛されている自信が足りなくてごめんなさい。






「うわあ、プレゼントありがとう。」

「太陽もありがとう。オンラインゲーム、早く一緒にしたい!」

太陽からのプレゼントは、オンラインゲームのRPGだった。
仕事柄、会えない時も、その世界なら、会話をしたりデートしたりできる。

「オンラインゲームもだけど、香月のキャラがみたいな。」

「えっ。」

「香月は色んな声が出るからなあ。すごいよ。」

「そ、そうかな。」


「香月不足だったから、全部の香月を吸収したい。それに、どれだけ香月を愛してるか分かってもらわなきゃ!」


太陽の手がラグとクッションを手繰り寄せて、顔が近づき、唇が触れる。

いいよ。


僕の全部は太陽のもの。
太陽の光で僕は輝く。

だから、太陽も僕だけのもの。


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