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緻密スケジュールの夜
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「ヒロイン、謎の女、比嘉茜役のMARIKOです。宜しくお願いします。」
「東京から来た臨時教員、木村理太役の夏目太陽です。宜しくお願いします。」
「リゾートホテルの総支配人、竜胆楓役の冬木香月です。宜しくお願いします。」
「バーのマスター、全てを知る男、茜の同級生、我那覇翔役の入道アポロです。宜しくお願いします。」
「一泊二日のロケですが、今回は茜と理太、楓の出会いのシーンと茜と翔のシーン。物語の導入部分を撮ります。急ぎですが宜しくお願いします。」
ホテルの近くのビーチ。
夕方の浜辺を1人歩く茜。
まるで人魚が浜辺で戯れるように、砂浜で踊っている。
それを眩しそうに見つめる楓。
丁度、浜辺で海を見ていた理太。
理太は浜辺のゴミを集めている。
理科の臨時教員として、今度学生にSDGsを教える予定。
「人魚がいる………。」
ゴミに足を取られ、砂浜に倒れそうになる茜を受け止める。
「あ、ありがとうございます。…………ったっ。」
「どうしよう、この辺に病院は………。」
「診療所は遠いですよ。うちのホテルにどうぞ。」
「あなたは?」
「そこの、ホテル·マーメイドラグーン総支配人、竜胆楓と申します。」
嫉妬のこもった眼差しで理太を見る楓。
3人の視線が絡み合う。
「ーーーーやあ、流石、夏目さんと香月。さっくり終わったあ!おかげで、明日は出発までフリーだ!」
当たり前だ。香月と観光デートしたい。
明日のカレンダーの撮影も速攻終わらせる!
夏の月の数カットでいいはずだし!
「アポロ、約束守れよ?」
「分かってますって。」
「夏目さあん、冬木さん、入道さん!今からごはんでもどうですか?」
甘ったるい声のMARIKO。
うざっ!
「すみません、皆と予定があるんで。」
「ええっ、じゃあ私もご一緒させてください!」
「すみません、人数いっぱいなので。」
俺と香月、秋口と豊さん。アポロとアポロのマネージャーでレンタカーに乗り込む。
取り残されたMARIKOは、砂浜を蹴り上げた。
皆でホテルでバーベキュー。
島の料理も嗜んだ。
でも、残念ながら味は分からない。
何故なら、今夜のことで頭がいっぱいだから!
「太陽、僕、顔の演技出来てましたか?」
「出来てたよ。クールな役なら大丈夫そうだね。本当に嫉妬した顔、してた。」
「…………だって。僕の太陽なのに。MARIKOさんを抱きしめてるんだもの。」
―――――くーっ!
「東京から来た臨時教員、木村理太役の夏目太陽です。宜しくお願いします。」
「リゾートホテルの総支配人、竜胆楓役の冬木香月です。宜しくお願いします。」
「バーのマスター、全てを知る男、茜の同級生、我那覇翔役の入道アポロです。宜しくお願いします。」
「一泊二日のロケですが、今回は茜と理太、楓の出会いのシーンと茜と翔のシーン。物語の導入部分を撮ります。急ぎですが宜しくお願いします。」
ホテルの近くのビーチ。
夕方の浜辺を1人歩く茜。
まるで人魚が浜辺で戯れるように、砂浜で踊っている。
それを眩しそうに見つめる楓。
丁度、浜辺で海を見ていた理太。
理太は浜辺のゴミを集めている。
理科の臨時教員として、今度学生にSDGsを教える予定。
「人魚がいる………。」
ゴミに足を取られ、砂浜に倒れそうになる茜を受け止める。
「あ、ありがとうございます。…………ったっ。」
「どうしよう、この辺に病院は………。」
「診療所は遠いですよ。うちのホテルにどうぞ。」
「あなたは?」
「そこの、ホテル·マーメイドラグーン総支配人、竜胆楓と申します。」
嫉妬のこもった眼差しで理太を見る楓。
3人の視線が絡み合う。
「ーーーーやあ、流石、夏目さんと香月。さっくり終わったあ!おかげで、明日は出発までフリーだ!」
当たり前だ。香月と観光デートしたい。
明日のカレンダーの撮影も速攻終わらせる!
夏の月の数カットでいいはずだし!
「アポロ、約束守れよ?」
「分かってますって。」
「夏目さあん、冬木さん、入道さん!今からごはんでもどうですか?」
甘ったるい声のMARIKO。
うざっ!
「すみません、皆と予定があるんで。」
「ええっ、じゃあ私もご一緒させてください!」
「すみません、人数いっぱいなので。」
俺と香月、秋口と豊さん。アポロとアポロのマネージャーでレンタカーに乗り込む。
取り残されたMARIKOは、砂浜を蹴り上げた。
皆でホテルでバーベキュー。
島の料理も嗜んだ。
でも、残念ながら味は分からない。
何故なら、今夜のことで頭がいっぱいだから!
「太陽、僕、顔の演技出来てましたか?」
「出来てたよ。クールな役なら大丈夫そうだね。本当に嫉妬した顔、してた。」
「…………だって。僕の太陽なのに。MARIKOさんを抱きしめてるんだもの。」
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