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じれったい
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「秋口。」
「なんですか?豊氏。」
「夏目太陽の好きな人って知ってるか?」
「んー、それがLOVEの方の好きかは知らないですけどぉ。個人情報だからな~。」
「親父の昔の作品のナマ原画1枚やる。」
「ほんとですね?」
「嘘は言わん。俺の手持ちのがあるからやる。」
「………雪村ルナですよ。初恋なんじゃないかな、もしかしたら。彼を追いかけて子役の道に入ったらしいですよ。でもね、もう引退した子役に会える見込みはないし。初恋は初恋で思い出でいいと思いますけどね~。」
なんだと?
じゃあ、アイツら相思相愛、両想いってことか…。
「二人ともよかったですよ!発売を楽しみにしていてくださいね!献本しますんで!」
撮影が終わったようだ。
「兄さん、急なことだったのにありがとう。」
「さすが香月、綺麗だったよ。」
俺が教えてあげれば…。二人は…。
だが、いや。まだだ。
初恋は初恋として、今も香月を愛しているのか分からない。
それに、香月がルナだと明かすことは、香月に起きた過去をあいつに言わなければならなくなる…。
それで万が一アイツの気持ちが冷めたら?
傷つくのは香月だ。
まだアイツの人となりは正直分からない。
だから信用できない。
うわー、急だったけど緊張した。
香月は綺麗だったな……。
なんだかドキドキする。
俺、もしかして香月が好きなんだろうか。
ルナのことはもうどうでもいいのだろうか。
俺って薄情だな…。
だけど、香月に俺の気持ちを伝えるのはちょっとな…。
香月は繊細そうだ。
男から告白されて、嫌な思いをするかもしれない。
それにただでさえ、カップルになるような映画で、今は同居もしてるんだ。
自分にそういう気持ちを抱いている相手と同居なんて、気持ち悪いだろう。
でも―――――
「香月はこの後はもうフリーなのか?」
もっと香月と一緒にいたい。
香月の家族が、彼が無表情を治して色んな仕事をしてほしいって思ってるなら。
俺の仕事と関わることで刺激を受けられるなら。
「うん…。上がり。」
「このあと、時代劇の撮影があるんだ。よかったらそれも見学していかないか?」
「はい、喜んで!」
薄暗いスタジオで一瞬、喜びの表情が見えた気がした。
「なんですか?豊氏。」
「夏目太陽の好きな人って知ってるか?」
「んー、それがLOVEの方の好きかは知らないですけどぉ。個人情報だからな~。」
「親父の昔の作品のナマ原画1枚やる。」
「ほんとですね?」
「嘘は言わん。俺の手持ちのがあるからやる。」
「………雪村ルナですよ。初恋なんじゃないかな、もしかしたら。彼を追いかけて子役の道に入ったらしいですよ。でもね、もう引退した子役に会える見込みはないし。初恋は初恋で思い出でいいと思いますけどね~。」
なんだと?
じゃあ、アイツら相思相愛、両想いってことか…。
「二人ともよかったですよ!発売を楽しみにしていてくださいね!献本しますんで!」
撮影が終わったようだ。
「兄さん、急なことだったのにありがとう。」
「さすが香月、綺麗だったよ。」
俺が教えてあげれば…。二人は…。
だが、いや。まだだ。
初恋は初恋として、今も香月を愛しているのか分からない。
それに、香月がルナだと明かすことは、香月に起きた過去をあいつに言わなければならなくなる…。
それで万が一アイツの気持ちが冷めたら?
傷つくのは香月だ。
まだアイツの人となりは正直分からない。
だから信用できない。
うわー、急だったけど緊張した。
香月は綺麗だったな……。
なんだかドキドキする。
俺、もしかして香月が好きなんだろうか。
ルナのことはもうどうでもいいのだろうか。
俺って薄情だな…。
だけど、香月に俺の気持ちを伝えるのはちょっとな…。
香月は繊細そうだ。
男から告白されて、嫌な思いをするかもしれない。
それにただでさえ、カップルになるような映画で、今は同居もしてるんだ。
自分にそういう気持ちを抱いている相手と同居なんて、気持ち悪いだろう。
でも―――――
「香月はこの後はもうフリーなのか?」
もっと香月と一緒にいたい。
香月の家族が、彼が無表情を治して色んな仕事をしてほしいって思ってるなら。
俺の仕事と関わることで刺激を受けられるなら。
「うん…。上がり。」
「このあと、時代劇の撮影があるんだ。よかったらそれも見学していかないか?」
「はい、喜んで!」
薄暗いスタジオで一瞬、喜びの表情が見えた気がした。
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