人気俳優は表情筋が死んでいる人気声優の彼が好き

竜鳴躍

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東雲旭は本気

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「夏目太陽………、素直で可愛かったなあ。」

有名声優といえど、声優としての収入に不釣り合いなデザイナーズマンションの高層階。

大きなガラス窓から夜景を眺めて、手にはウイスキーのグラス。



東雲旭は緩くかかったパーマの長い前髪をかき上げる。

たれ目気味の目は、右眼の下に黒子があり、大人の色気を醸し出す。



「気に入った子はこれまでに何人もいたけど、皆違っていた。彼こそが僕の運命の子なのかもしれないな。」


だが向こうは有名芸能人。

こっちだって有名ではあるが、悔しいが声優より俳優の方が世間一般には知名度が高い。

彼自身はガードが緩そうだったが、小型犬のようなマネージャーが警戒していたし、冬木も邪魔をしてくれた。



もしかしたら冬木も彼が好きなのだろうか。

あの養父の監督は、冬木が彼を好きだから彼を抜擢したのだろうか。

作品に公私混同はやめてもらいたいが、二人は役にマッチしているし、作品の宣伝にもなってるから何も言えないな。


「だけど、あっちはお子ちゃま…。クランクアップまで長い、ゆっくり……じっくり、彼を手に入れるまで。」



彼をこの家に招いて。

美味しいカクテルでも入れてあげよう。

バーテンダー顔負けの腕前で、器具も酒もそろえているんだ。


そうして酔っぱらったら…。


服を脱がせて、きっと芸術的なバランスの体を堪能したい。

愛を囁いて、手に入れたい。


「あのガキには負けない。」


明日の収録も楽しみだ。
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