【完結】再会したらあれっ?~王子の初恋の美少女はイケメン男子でした~

竜鳴躍

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港に来たよ!

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3月下旬。スプリング王国なら過ごしやすい時期だけど、ウインター王国はまだまだ寒い。

だから、あったかくしてお出かけしないとね。

港の方は城のあたりより寒いから、馬車に詰め込んで、港に着く前にみんなでもこもこを着こんだ。



内側がもこもこしたパンツにもこもこしたコート。

ブーツももこもこ~。あったかーい。

コートにはフードが付いている。

もこもこ~。


色はオフホワイト☆


「どうかなぁ、おかしくないかなぁ。」


くるりと回転すれば、リースがニコニコしていた。


「すっごくよく似合っていますよ。ノワールにはやっぱりもこもこが似合う。かわいい。すごくかわいい。もしかしたら初夜で赤ちゃんが出来ているかもしれないし、走って転ばないように気を付けるんですよ。」

「もう~。リースったら気が早すぎ。……もちろん、そうなったらいいなあ、とは思ってるけど…。」



リースは私とおそろい。色も一緒。
でもなぜか、リースが着るとかっこいいんだよねえ。不思議。


「ノワママ!私もかわいい?」


モモはピンクのもこもこ!うさぎさんのお耳がフードについて可愛い!

「かわいいよお、天使!」


「やったー!」



「………ハーウェイ様、私、どうでしょうか。」

水色のもこもこはマチルダ様。ハーウェイチョイスらしく、猫耳が付いている。

「いいんじゃないか。すごく似合っている。」

そういうハーウェイははちみつ色。


この二人もいい感じにラブラブ!


さ!いざゆかん港!





港につくと、地域の一番偉い人と、漁港組合の人が出迎えてくれた。

「このような何もないところに来ていただいて…。」

「この漁港では今何を取り扱っているの?」


「今の時期はホタテくらいですね。もう少ししたらニシンがとれますが。貴族の方々にはお出しできない、庶民の魚ですよ。塩漬けにして缶詰にしたり酢漬けにしたりです。」


「時期が悪かったんですね。」

「すみませんね。オイスターもまだ先なもので。」

ホタテは身が大きくておいしそうだけど、あれこれあると思ったんだけどなあ。


ちょっとがっかりしていると、ハーウェイが何かを持ってきた。



黒いとげとげと、禍々しい外見の生き物。

「これ、ちょっとここで調理してみてもいいでしょうか?」


「え?お兄さん。それ食べ物じゃないよ。どうなっても知りませんよ。」

「いいから、鍋に水入れて持ってきてください。」



「それ何なの。ハーウェイ。私は美味しそうだとは思うけど…。」

「これはウニとカニです。待っててくださいね。」


ハーウェイのやることに間違いはないはず!



(いったい何が出来上がるんだろう。新たな伝説の始まりなのか!)
(早く食べたい…!)
(あのとげとげ、たべたら口が痛くなるけど。人間って意味わからないことたまにする。)
(ハーウェイ……。あんなもの食べようなんて…。でもでもっ、私がハーウェイを信じなきゃ。)

(おなか壊してもわしらのせいじゃないもんね…。大丈夫だよね。首ちょんぱにならないよね。)


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