【完結】再会したらあれっ?~王子の初恋の美少女はイケメン男子でした~

竜鳴躍

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なかなか会えない

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「ノワール殿下!勉強を教えてください!」

「いや、俺たちに剣を!」

休み時間の度に追いかけ回される。


もう、特にこの公爵んちと辺境伯んちの女の子たち、怖いよお。

彼らのギラギラした目が苦手だ。


彼らが求めているのは自分ではなく、王子という肩書きだけなのに。


ああ。リース不足。


「すまないが、私が特定の者に教えるのはできない。それに、人に教えるほどの者ではないし。」


「殿下。お時間です。」


それっぽくハーウェイがやって来る。

もう、遅いよ!



寮に向かいながら、ポソッとぐちる。

「……最近、リースに会えない。」

「ああ、リース様。こないだ生徒会に拉致られてましたね。ノワール殿下もいっそ生徒会に入ればいいじゃないですか。」


「やだよ。さっきの女の子たちいるんだよ?」

「リース様も狙われているんですよ。知らないですよ、とられても。」


えっ。

それはやだあ!



「覚悟を決めてください。」


うう。



「ノワール様!ハーウェイ様。」


ん? リースの声が聞こえる。

「リース?! さま」


「お久しぶりです。諦めてもらうのに、時間がかかってしまいました。」

でも、役得はありましたよ?

リースが微笑む。


「ノワール様の隣の空き部屋に引っ越す権利を勝ち取ってきました。」

生徒会に入らない代わりに、書類整理の手伝いをした報酬だそうだ。


「明日から、毎朝起こしてあげますね。休みには一緒に過ごしましょう。」

「わあ、殿下助かります。そうしたら私はたまには自由にさせてもらいますね!」


えっ。


ということは、二人っきりになれるってこと?


ぶしゅう。



盛大な鼻血。

慌てたリースが後ろに倒れる私を支えてくれた気がする。
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