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新エルグランド編

幸せ

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「ちょっと待っ………!ジュエリー王国はどうするの?お祖父さまお祖母さまは………っ。」

「元々、俺が見つかる前は、親戚の優秀な子を養子にする案もあった。でも、お父様が今はいる。あいつは廃嫡された気でいたが、念のため王族のままにしてるらしい。公爵がお母様の爵位を伯爵にしてくれたから、正式に王子妃に出来るって。」


「あいつのせいで俺だって苦労したんだ。エドワードばっかり可愛がりやがって。あいつが繋ぎの王になるんなら、俺が向こうの王にならなくていい。孝行は、王位を継がなくても出来る。」


「ジャン……っ。」





「感極まっているところ申し訳ありませんが。ジャン様は大人しくジュエリー王国の王になられて下さい。」


アローお兄様が僕の後ろに回り、肩を抱く。



「大丈夫。私がポラリスを幸せにしてあげる。」


「!」





ぽん、と背中を押され、僕はジャンの腕の中で収まった。



「………え。」



「ポラリス殿下は立太子しません。ジュエリー王国にお嫁にいってもらいます。」

気づきませんか。

血だけなら、我が公爵家もスネイク家同様に王家の血は入っているのです。


「アローお兄様……?」


「入って?エドワード。」


困惑した顔で騎士服のエドワードが入ってきた。


「私がこのエドワード=クリーン伯爵令息を妃に迎えて即位します。」

「私たちも了承しました。」


戸惑うのはエドワード。


「俺、だって。スネイクの――――。妃なんて。」

「今の貴方はスネイク家とは切れています。それに聞きましたか?貴方はジュエリー王国の王族とも縁者なんですよ。」

「でも………。」


「私たちは王と妃になっても権力は持ちません。この国は、貴族による合議制になり、私たちは象徴になるのです。」


だから、ポラリスは幸せになって。

この国への貴方の想いは、私が必ず引き継ぎますから。



「お兄様…。」


視界が滲んで、僕は兄と抱き合った。
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