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新エルグランド編

僕が王子様だなんて言われても困る

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僕の回りは目まぐるしく変わった。

お父様とお兄様は、貴族の整理をしてくれた。


悪い貴族をとりつぶしたり挿げ替えたり。
代替わりさせたり。

いい貴族は爵位を上げて、領地を増やしたり、役目も与えて。

城の中の管理職も変わったみたい。



僕が王子様だなんて言われても困るけど、そうもいっていられず。
相変わらず書類仕事に精を出している。


でも、以前と違い、代わりじゃないから、書類だけで判断なんてしない。
新しい官僚たちは教えてくれるようになったけど、この国は貧富の差が激しい。

今まで誰も気にとめなかったのは、貧しい者が拉致され、国から消えていたせいでもあった。

国民みんなが声をあげてくれるようになって嬉しい。



「ポラリス殿下。」

プラチナブロンドの貴公子が部屋をノックして入ってきた。

「お兄様!」

アローお兄様は令嬢にモテるけど、今まで令嬢として過ごしてきて裏の顔も知っているから、本当に良い子じゃないと相手にしないんだって。

………僕のお妃候補も探しているみたい。


チクッと胸が痛む。



ジャンにも、いるのかなあ。


「やっと、クリーン家を伯爵家として再興する承認が下りましたよ。エドワードはあの二人の養子になりました。自ら王子を下りましたし、反省していますし、彼自身の罪はそれほど重くないですからね。伯爵令息として、騎士団に入るらしいです。回りはなかなか厳しいでしょうが、覚悟してるらしいですよ。」

なんだかお兄様は嬉しそう。



もしかしたら、エドワード様はお兄様の奥さんの方になるんじゃないかしら。


最近、そう思う。




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