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急襲

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その日は突然だった。

「お祖父さま!お祖母さま!お父様!お兄様!!」



「ジャン!」


「はいっ!」


警報が鳴り響き、陛下は王族でしか知らない場所に侵入者が入ったことを察した。


「ここから先はジャン、お前と私だけで行く。その間、ポラリスは公爵たちと身を潜めているのだ。」


ジャンの瞳が赤く光り、僕たちの体を光が包む。



「他の者には見えなくなる魔法をかけた。俺の光が体から消えたら効果が無くなった証拠だから気を付けてほしい。くれぐれも物音を出さないように。」


(分かりました。ジャンもおじいさまも気を付けてください…!)


僕も見様見真似で二人の無事を祈る。


気のせいか、僅かに青白く光った気がする。

僕にも力があるのなら、何か役に立てればいいな…。




秘密の通路を通り、二人は進む。




「この場所を気づくはずがない。幾重にも王族の結界が施されている。」


陛下の言葉。


ジャンは、侵入者の正体について、不安がよぎった。







もしかしたら。




6年前、俺を捨てたあの男ではないのか。








「……―――――――よく、駆けつけたな。」



石造りの頑丈な部屋の中に、その男は立っていた。



黒い髪、俺と同じ赤い目。



少し、老けた。







「ジョニー……。お前、何をやっている!!?」

陛下の叫びがこだまする。
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