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エンディング ジョエルルート➂
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私の瞳の色のスーツをつけたスノウをエスコートして、スノウの卒業パーティに参加する。
なんて幸せだろう。
夢じゃないだろうか。
「俺、パーティにまともに出たことないからドキドキする…。」
「大丈夫。スノウはマナー完璧だよ?」
2人同士の間ではくだけた話し方だが、スノウは外ではちゃんと対応できる子だ。
でも、昨年の卒業パーティにも出ていたが。
「俺、社交とか禁止だったから。去年のパーティは影の任務だったし…。」
遠くにエリムを見つけた。
エリムもきっと、スノウに服を贈ろうとしたはずだ。
私が早くに贈って、スノウが受け取ってしまったから、遠慮したかもしれない…。
そっとしたほうがいいのかもしれないが、目があってしまった。
「スノウ、エリムも来た。ユーリカもいる。向こうに行こう。」
「うん!」
皆で話し込んでいたら、庭の方で騒ぎがあったらしい。
タイタンが私に耳打ちをしてきた。
なるほど。目や耳に障害があるらしい浮浪児のような少女か。
スノウたちに断って、私は庭へ出た。
何かあったのだろうかと、スノウたちはテラスまで出てきたようだ。
こちらの様子を窺っている。
「どうしますか?」
「悪気があるわけではない。空腹ゆえにおいにつられたのだろう。この子を綺麗にして食事を与えてあげておくれ。」
「施しをするのですか?この子だけではありますまい。」
ケントの質問に私は、頷いた。
「一時的な措置だよ。目の前で飢えている子を放置できないだろう。とりあえずの措置として、各地の教会に炊き出しを頼もう。触れの準備と、そのための予算を。私のポケットマネーでも構わない。貧しい民にも教育と最低限の生活の保障を。ただし、出来る範囲での労働とセットだ。職業訓練と職に就く機会を保障しよう。」
「なるほど、素晴らしい。施しでは自立できなくなりますからね。問題の抜本的な解決にもならない。」
その様子を見て、エリムは自分にも手伝わせてほしいと言ってきた。
エリムは目が見えなかったから、思うところがあるのだろう。
スノウは、私の様子を階段から見ていた。
ふっと笑うと、そっと視線を外す。
だけどその頬がほんのり赤く染まっている気がするのは、思い上がりだろうか?
なんて幸せだろう。
夢じゃないだろうか。
「俺、パーティにまともに出たことないからドキドキする…。」
「大丈夫。スノウはマナー完璧だよ?」
2人同士の間ではくだけた話し方だが、スノウは外ではちゃんと対応できる子だ。
でも、昨年の卒業パーティにも出ていたが。
「俺、社交とか禁止だったから。去年のパーティは影の任務だったし…。」
遠くにエリムを見つけた。
エリムもきっと、スノウに服を贈ろうとしたはずだ。
私が早くに贈って、スノウが受け取ってしまったから、遠慮したかもしれない…。
そっとしたほうがいいのかもしれないが、目があってしまった。
「スノウ、エリムも来た。ユーリカもいる。向こうに行こう。」
「うん!」
皆で話し込んでいたら、庭の方で騒ぎがあったらしい。
タイタンが私に耳打ちをしてきた。
なるほど。目や耳に障害があるらしい浮浪児のような少女か。
スノウたちに断って、私は庭へ出た。
何かあったのだろうかと、スノウたちはテラスまで出てきたようだ。
こちらの様子を窺っている。
「どうしますか?」
「悪気があるわけではない。空腹ゆえにおいにつられたのだろう。この子を綺麗にして食事を与えてあげておくれ。」
「施しをするのですか?この子だけではありますまい。」
ケントの質問に私は、頷いた。
「一時的な措置だよ。目の前で飢えている子を放置できないだろう。とりあえずの措置として、各地の教会に炊き出しを頼もう。触れの準備と、そのための予算を。私のポケットマネーでも構わない。貧しい民にも教育と最低限の生活の保障を。ただし、出来る範囲での労働とセットだ。職業訓練と職に就く機会を保障しよう。」
「なるほど、素晴らしい。施しでは自立できなくなりますからね。問題の抜本的な解決にもならない。」
その様子を見て、エリムは自分にも手伝わせてほしいと言ってきた。
エリムは目が見えなかったから、思うところがあるのだろう。
スノウは、私の様子を階段から見ていた。
ふっと笑うと、そっと視線を外す。
だけどその頬がほんのり赤く染まっている気がするのは、思い上がりだろうか?
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