52 / 63
エンディング ジョエルルート➂
しおりを挟む
私の瞳の色のスーツをつけたスノウをエスコートして、スノウの卒業パーティに参加する。
なんて幸せだろう。
夢じゃないだろうか。
「俺、パーティにまともに出たことないからドキドキする…。」
「大丈夫。スノウはマナー完璧だよ?」
2人同士の間ではくだけた話し方だが、スノウは外ではちゃんと対応できる子だ。
でも、昨年の卒業パーティにも出ていたが。
「俺、社交とか禁止だったから。去年のパーティは影の任務だったし…。」
遠くにエリムを見つけた。
エリムもきっと、スノウに服を贈ろうとしたはずだ。
私が早くに贈って、スノウが受け取ってしまったから、遠慮したかもしれない…。
そっとしたほうがいいのかもしれないが、目があってしまった。
「スノウ、エリムも来た。ユーリカもいる。向こうに行こう。」
「うん!」
皆で話し込んでいたら、庭の方で騒ぎがあったらしい。
タイタンが私に耳打ちをしてきた。
なるほど。目や耳に障害があるらしい浮浪児のような少女か。
スノウたちに断って、私は庭へ出た。
何かあったのだろうかと、スノウたちはテラスまで出てきたようだ。
こちらの様子を窺っている。
「どうしますか?」
「悪気があるわけではない。空腹ゆえにおいにつられたのだろう。この子を綺麗にして食事を与えてあげておくれ。」
「施しをするのですか?この子だけではありますまい。」
ケントの質問に私は、頷いた。
「一時的な措置だよ。目の前で飢えている子を放置できないだろう。とりあえずの措置として、各地の教会に炊き出しを頼もう。触れの準備と、そのための予算を。私のポケットマネーでも構わない。貧しい民にも教育と最低限の生活の保障を。ただし、出来る範囲での労働とセットだ。職業訓練と職に就く機会を保障しよう。」
「なるほど、素晴らしい。施しでは自立できなくなりますからね。問題の抜本的な解決にもならない。」
その様子を見て、エリムは自分にも手伝わせてほしいと言ってきた。
エリムは目が見えなかったから、思うところがあるのだろう。
スノウは、私の様子を階段から見ていた。
ふっと笑うと、そっと視線を外す。
だけどその頬がほんのり赤く染まっている気がするのは、思い上がりだろうか?
なんて幸せだろう。
夢じゃないだろうか。
「俺、パーティにまともに出たことないからドキドキする…。」
「大丈夫。スノウはマナー完璧だよ?」
2人同士の間ではくだけた話し方だが、スノウは外ではちゃんと対応できる子だ。
でも、昨年の卒業パーティにも出ていたが。
「俺、社交とか禁止だったから。去年のパーティは影の任務だったし…。」
遠くにエリムを見つけた。
エリムもきっと、スノウに服を贈ろうとしたはずだ。
私が早くに贈って、スノウが受け取ってしまったから、遠慮したかもしれない…。
そっとしたほうがいいのかもしれないが、目があってしまった。
「スノウ、エリムも来た。ユーリカもいる。向こうに行こう。」
「うん!」
皆で話し込んでいたら、庭の方で騒ぎがあったらしい。
タイタンが私に耳打ちをしてきた。
なるほど。目や耳に障害があるらしい浮浪児のような少女か。
スノウたちに断って、私は庭へ出た。
何かあったのだろうかと、スノウたちはテラスまで出てきたようだ。
こちらの様子を窺っている。
「どうしますか?」
「悪気があるわけではない。空腹ゆえにおいにつられたのだろう。この子を綺麗にして食事を与えてあげておくれ。」
「施しをするのですか?この子だけではありますまい。」
ケントの質問に私は、頷いた。
「一時的な措置だよ。目の前で飢えている子を放置できないだろう。とりあえずの措置として、各地の教会に炊き出しを頼もう。触れの準備と、そのための予算を。私のポケットマネーでも構わない。貧しい民にも教育と最低限の生活の保障を。ただし、出来る範囲での労働とセットだ。職業訓練と職に就く機会を保障しよう。」
「なるほど、素晴らしい。施しでは自立できなくなりますからね。問題の抜本的な解決にもならない。」
その様子を見て、エリムは自分にも手伝わせてほしいと言ってきた。
エリムは目が見えなかったから、思うところがあるのだろう。
スノウは、私の様子を階段から見ていた。
ふっと笑うと、そっと視線を外す。
だけどその頬がほんのり赤く染まっている気がするのは、思い上がりだろうか?
13
お気に入りに追加
1,185
あなたにおすすめの小説
今から俺と死ぬのと、セックスするのどっちがいい?
和泉奏
BL
「今から俺と死ぬのとセックスするのどっちがいい?」
金髪不良イケメン弟×平凡兄(義理)
前々から気に入らないと思っていた男が母の再婚によって『兄』になってしまい、同じ家で過ごすのもやっぱり気に食わなくてある日学校から帰り両親不在時にトイレに連れ込む。
悪役令嬢の兄、閨の講義をする。
猫宮乾
BL
ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。
【完結】王子様の婚約者になった僕の話
うらひと
BL
ひょんな事から第3王子のエドワードの婚約者になってしまったアンドル。
容姿端麗でマナーも頭も良いと評判エドワード王子なのに、僕に対しては嘘をついたり、ちょっとおかしい。その内エドワード王子を好きな同級生から意地悪をされたり、一切話す事や会う事も無くなったりするけれど….どうやら王子は僕の事が好きみたい。
婚約者の主人公を好きすぎる、容姿端麗な王子のハートフル変態物語です。
腐男子ですが、お気に入りのBL小説に転移してしまいました
くるむ
BL
芹沢真紀(せりざわまさき)は、大の読書好き(ただし読むのはBLのみ)。
特にお気に入りなのは、『男なのに彼氏が出来ました』だ。
毎日毎日それを舐めるように読み、そして必ず寝る前には自分もその小説の中に入り込み妄想を繰り広げるのが日課だった。
そんなある日、朝目覚めたら世界は一変していて……。
無自覚な腐男子が、小説内一番のイケてる男子に溺愛されるお話し♡
この愛のすべて
高嗣水清太
BL
「妊娠しています」
そう言われた瞬間、冗談だろう?と思った。
俺はどこからどう見ても男だ。そりゃ恋人も男で、俺が受け身で、ヤることやってたけど。いきなり両性具有でした、なんて言われても困る。どうすればいいんだ――。
※この話は2014年にpixivで連載、2015年に再録発行した二次小説をオリジナルとして少し改稿してリメイクしたものになります。
両性具有や生理、妊娠、中絶等、描写はないもののそういった表現がある地雷が多い話になってます。少し生々しいと感じるかもしれません。加えて私は医学を学んだわけではありませんので、独学で調べはしましたが、両性具有者についての正しい知識は無いに等しいと思います。完全フィクションと捉えて下さいますよう、お願いします。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
イケメンと体が入れ替わってラッキーと思ったらそのイケメンがゲイだった
SAI
BL
イケメンと体が入れ替わった!これで女の子とイチャイチャし放題だ!!
喜んだのもつかの間、女の子とホテルにいるとカチンと音が鳴って体が戻っちゃった。
戻った自分の前にはハーフ系の可愛い男子が全裸になっていた。
「僕、あなたみたいな人をアンアン言わせるのが好きなんですよ」
男のナニが圭太のアソコに……。圭太の運命はいかに。
体が入れ替わったり戻ったりを繰り返すドタバタラブロマンス。
※予告なく性描写が入ります。ご注意ください。
※最終話におまけとして圭太と阿川のイラストを置いてあります。2枚のうち1枚はR18イラストになりますので、苦手な方はご注意ください。
【完結】目が覚めたら縛られてる(しかも異世界)
サイ
BL
目が覚めたら、裸で見知らぬベッドの上に縛られていた。しかもそのまま見知らぬ美形に・・・!
右も左もわからない俺に、やることやったその美形は遠慮がちに世話を焼いてくる。と思ったら、周りの反応もおかしい。ちょっとうっとうしいくらい世話を焼かれ、甘やかされて。
そんなある男の異世界での話。
本編完結しました
よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる