【完結】自称ヒロイン役を完遂した王家の影ですが、断罪パーティーをクリアした後に王太子がぐいぐい来ます。

竜鳴躍

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魔女には魔女

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「王女殿下、帝国と王国との縁談をお祝いしたいという者が来ておりますが、いかがいたしましょう。」

ジョエルの側近でもあるタイタンが膝を折る。



「まぁ、何者かしら。」

「旅の一座のようです。暇つぶしの余興にはなるかと。」


「いいわよ。通しなさい。」





我がもの顔のウイッチは、見下ろす。

茶色の髪の女が二人、隼を肩に乗せたピンクゴールドの女が一人。楽器を手にした赤毛の美丈夫が一人。


後から入ってきたジョエルの側近のケントは、タイタンと並んだ。




「ねえ、面白いですわね。ジョエル様。私たちへのお祝いですって。是非見せていただきましょう。」

覗き込まれた瞳が言い様もなく君が悪い。

ジョエルは頭がくらっとするのに耐えて、頷いた。



「では。」


赤毛のバイオリンに合わせて茶色の女たちが踊る。

なかなか見事な踊りの後で、隼を連れた女が出た。


隼とともに舞うように。剣の舞を披露する。



「おお、これは見事。」

軽やかに。時折サービスなのかこちらに近づいてくる。


隼が羽ばたき、部屋の空気が揺れる。



(この隼!あまり羽ばたいたら粉が飛ぶじゃない!)




ダタン、と曲調が強くなり、一瞬。

隼はウイッチの背後まで飛んで―――――――




「さあ、『魔女』。チェックメイトだよ。」


ファイ=アイスノンは姿を現した。

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